2016年06月03日 12:12 弁護士ドットコム
若い女性が本人の意思に反してアダルトビデオに出演させられている被害について、政府が実態調査に乗り出すことがわかった。政府は6月2日、内閣府が民間団体から被害状況を聴くなどして、実態の把握につとめたいとする答弁書を閣議決定した。
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アダルトビデオへの出演強要をめぐっては、NPOヒューマンライツ・ナウが今年3月、被害実態をまとめた報告書を発表した。モデルやタレントとして勧誘された女性が、本人の意思に反してアダルトビデオへの出演を強要されるケースが相次いでいると報告された。
こうした状況を踏まえて、山本太郎参議院議員が5月26日、アダルトビデオへの出演強要被害に関する質問主意書を提出した。「アダルトビデオへの出演強要は女性に対する深刻な暴力だ」として、政府としての取り組みや、実態調査・法整備などについて問うものだった。
答弁書は、女性に対して本人の意に反してアダルトビデオに出演を強要することは、第4次男女共同参画基本計画で、防止と根絶に取り組むとしている「女性に対する暴力」にあたると指摘した。そのうえで、教育・啓発の推進や、被害者が相談しやすい体制づくりを通じて、効果的な支援の拡充を図っていくとした。
内閣府暴力対策推進室は、弁護士ドットコムニュースの取材に「まずは、民間団体からアダルトビデオ出演強要の被害をヒアリングして実態について把握する」と回答した。現段階で、調査の時期などは決まっていないが、業界団体を含めて幅広い対象からヒアリングしたいとしている。
(弁護士ドットコムニュース)