マクラーレン・ホンダのレーシングディレクター、エリック・ブーリエが、現時点では、今年用と来季用にリソースを半々に振り分けてマシン開発を行っていると語った。
2017年にはF1テクニカルレギュレーションが大きく変更され、ラップタイムを大幅に短縮することを狙い、車幅、タイヤ、ウイング、ディフューザーの幅が広げられる。コクピット保護デバイスなどの問題もあり、すべての要素が確定したわけではないが、ブーリエは、チームのリソースの半分を来季マシン開発に当てていると述べた。
「レギュレーションに関する最終的な決断を待たなければならなかった。そのためリソースをスイッチするのを、ある程度延期せざるをえなかった」とブーリエ。
「現段階では50/50で作業に当たっており、現行マシンの開発も続けている」
トロロッソのテクニカルディレクター、ジェイムズ・キーは、空力部門はかなり来季マシンへとシフトしているものの、全体的に来季に集中するのは夏休み後だろうと予想している。
「2017年のレギュレーション誕生には少し時間がかかった。タイヤやサスペンションなどから、少なくとも寸法の面ではシャシーの方向性についてかなりいいアイデアを得ていたが、空力とボディワークのレギュレーションを定めるのに少し時間がかかった」
「そういう意味で誰もがスタート地点は定まっていたものの、完全に新しいレギュレーションであることを考えると、スタートするのが少し遅かったかもしれない。それでも事前に2017年のマシンの主要点に関して進めることができる部分はたくさんあったので、それについては数カ月前から作業を行っている。どのチームもそうだと思う」
「今の時点でリソースの振り分けを明確にするのは難しい。部門によるからね。だが空力面の影響が大きいので、その部分には焦点を置いている。シミュレーションに関しても同じだ。デザイン部門については、まだ大部分を来季に振り分けるといった状態ではないが、8月の夏休みの後にはほぼ100パーセント、来年のマシンに集中するのは間違いない」
レッドブルのチーフエンジニア、ポール・モナハンは、まだ今季マシン開発をストップする段階ではないと語った。レッドブルはここ数戦、大きな向上を見せ、上位争いに絡んでいる。
「レギュレーションが確定していない段階では、最初は少数のグループで研究を始めたが、今は空力部門は本格的に来季開発に取り組んでいる」
「とはいえ2016年のマシン開発を完全にストップしたわけではない。だから振り分けは難しい。2016年シーズンがさらに進行するにつれて明確になっていくだろう。デザイン部門はコンセプトを進化させていき、次第に2017年を重視していくことになるだろう」