職場の人間関係に悩まされる人は多い。近くに怒鳴り声をあげるような人がいれば尚更だろう。6月1日、ある男性ツイッターユーザーが、「マジ職場で怒鳴る人が無理になった」と投稿した。
「関係ない部署でも無理ですわ。何故すぐに声を荒げる。声を荒げていいのは不老不死の夢が潰えたとか、旧友がコナゴナにされたとか、そういう時だけにしようぜ」
職場で怒鳴るとパワハラになる可能性大、しかし自覚がある上司はごく一部
この投稿は1200件近くリツイートされ、同じような経験をした人たちから「分かる!」との声が相次いだ。
「凄いわかる!ビックリするし緊張するし。態度や声がでかいやつに限って、しょーもない仕事しかできないんだよね」
「これ本当にそう思うなぁ。もう怒鳴った時点でその人は思考停止してるんだよな」
辛い思い出が蘇ったのだろうか、「『怒鳴るのは暴力そのもの』という認識がもっと広まりますように」という人もいた。厚生労働省のパワハラ対策についての総合情報サイト「あかるい職場応援団」では、職場でのパワーハラスメントについて、こう定義している。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」
たとえば、同僚の目の前で叱責される、「やめてしまえ」「バカ」「アホ」と言葉をかけられることは、「精神的な攻撃」であり、パワハラに当たると考えられるという。職場で叱責する際に、必要以上に大声で怒鳴ることもパワハラに該当する可能性が高い。
しかし、当の本人たちはあまり深く考えていないようだ。5月30日に日本アンガ―マネジメント協会が発表した「怒りの感情が業務に及ぼす影響」の結果によれば、怒られた部下の53.8%が上司に対して「パワハラだと感じる」と答えた。だが、怒った側が「(怒ったことを)パワハラに該当する」と答えたのは16.7%にとどまった。
怒られたことで「相手を避けるようになった」という人も
調査は、「部下・後輩・顧客に怒ったことがある」515人と、「上司・先輩・顧客に怒られたことがある」774人に対して実施。
部下はパワハラだと感じた理由については、「口汚く罵った」(76.9%)、「あなたの人格まで攻撃した」(72.3%)、「怒鳴るなど感情的になった」(60.2%)など、感情的に怒られたことをあげる人が多かった。
怒ることが与える負の影響は甚大だ。怒られた部下に「上司に怒られた後、業務状況は変わったか」を聞いたところ、40.6%が「仕事のモチベーションが低下した」と、25.7%が「相手を避けるようになった」と回答した。これでは業務に支障が出る。
また、怒られた後に「パワハラとして相手を通報した人」の85%、「会社を辞めた人」の57%は相手の怒り方が変わればそうした行動はとらなかった回答。怒鳴ることなど百害あって一利なし。すぐカッとなってしまう人は言葉を発する前に深呼吸するなど冷静になる必要があるだろう。
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