ホンダF1プロジェクト総責任者の長谷川祐介氏が、次戦カナダGPでパワーユニットのアップグレードを行いたいと発言した。しかし戦略上、簡単に決断を下すことはできないという。
パワーユニットマニュファクチャラー4社の中で、ホンダのみが開幕以降、トークンを使用したアップグレードを行っていない。そのため、使用可能な14トークンをどこで入れるのかに関心が集まっている。
今週、カナダGPでパワーユニットのアップグレードを行うことを決めたという報道をレーシングディレクターのエリック・ブーリエおよびホンダのスポークスマンが否定、「決断はまだ下していない」と発言したと伝えられた。
長谷川総責任者は以前から、限られた開発トークンを有効に使うため、細かくアップグレードを行っていくのではなく、まとめて大きな改善を導入したいと語っている。
カナダはパワーサーキットであるため、パワーユニットをアップグレードするのが好ましいものの、慎重に判断したいと、長谷川総責任者は述べた。
「カナダはストップ&ゴー・サーキットで、パワーが重要なのは間違いありません」と長谷川総責任者が語ったとF1iが伝えた。
「燃費もとても重要です。もちろん(カナダで)いくつかアップグレードを導入したいです。ですがまだ決めることはできません。つまりお話しすることはできません。準備を整える必要があります」
「1パーセントの改善であろうと10パーセントの改善であろうと、使うトークンの数は同じです。それなら10パーセントのアップグレードを入れることを選ぶでしょう」
ホンダのアップグレードの時期は近づいているかと聞かれ、長谷川総責任者は「イエス」と答えた。
「さくら(のホンダのファクトリー)においてダイナモで試しているアップデートの中に、いい結果を出しているものがあります。このテクノロジーがOKであるということ、耐久性およびロジスティクス面の準備を整えられるということを確認する必要があります」
カナダでトークンを使ったアップグレードを導入するかどうかの最終決定は今週いっぱい検討した上で下されると、F1iは伝えている。F1iによると、ホンダはターボチャージャーとエンジン(ICE)関係を中心に開発を行っているという。
最近マクラーレンのグループCEO、ロン・デニスが「今後数戦でパートナーのホンダは非常に大きな改善を遂げるだろう」と発言した。一方でブーリエが新しい仕様は大改革されたものではないと述べたとも伝えられている。