フォース・インディアは、先週のモナコGPで、F1参戦開始以来のベストリザルトをあげる絶好の機会を逃したと考えており、同じミスが繰り返されないように、戦略的な意思決定の手順を見直すという。
モナコでは、セルジオ・ペレスがレースウィナーのルイス・ハミルトン、2位のダニエル・リカルドに次ぐ3位に入ったが、副チーム代表のボブ・ファーンリーは、ニコ・ヒュルケンベルグにもポディウムに上がれる可能性があったと考えている。
これについてはヒュルケンベルグ本人も、最初のピットストップのタイミングが「間違って」おり、「トラックポジションを失ったうえに、コースに戻ったときにはトラフィックに当たってしまった」と嘆いた。
ヒュルケンベルグは、15周目にピットストップを行うまで、ハミルトンとニコ・ロズベルグの2台のメルセデスに直後に続く4番手を走っていた。だが、ウェットからインターミディエイトに履き替えてコースに復帰したとき、彼はウェットのままステイアウトしていたフェリペ・マッサの後方にできた「渋滞」の列に加わることになった。
「あれで僕のレースは台無しになり、その後はずっとトラフィックから抜け出せずに、レースの大半を過ごすことになった」とヒュルケンベルグは言う。「ポディウムに上がれる速さはあっただけに、ものすごく悔しいよ」
モンテカルロでのチームのベストリザルトとなるペレスの3位を喜びながらも、ファーンリーはこう語っている。「残念なのは、もっと良い成績を残せる可能性もあったということだ。ニコの最初のピットストップの判断が良くなかった。あれをうまくやっていれば、私たちは世間の人々を驚かせるような順位で、2台をフィニッシュさせることができたと思う」
「ニコは、少なくともチェコ(ペレス)と同じ順位には入れたはずだ。だから、チームとして最低でも3位と4位、もしかすると2位と3位でレースを終えることさえできたと思う」
ファーンリーは、「それ以外は文句なしだったレースで、ひとつだけミスがあった」と認めている。
「それはチーム内での問題であり、詳細を公表するようなことではないが、要するに自分たちの組織と意思決定の手順を見直す必要がある、ということだ。ウェットからインターに履き替えるという判断は良かったが、それをいつ行い、どちらを先にピットに入れるかの決定に問題があったと思う」
「こうした失敗が繰り返されないようにしなければならない。モナコでは大きなチャンスをつかみ損ねたからだ。あのような好機が訪れたときには、必ず結果につなげる必要がある。フォース・インディアのようなチームにとって、あんなチャンスはそうたびたび来るものではないからね」
「チャンスが到来したときには適切に対処して、それをつかめるように、日頃からしっかり準備をしておかなければならない。レースの週末全体を振り返ってみると、私はチームがあげた成績に感激すると同時に、さらに良い成績につなげられなかったことを同じくらい悔しいと感じている。今回チームのなかで起きたことをしっかり調べて、そこから今後の教訓を得たい」
ファイナルラップの小雨のなか、ヒュルケンベルグはフィニッシュラインの直前でロズベルグを抜き、最終的には6位でレースを終えた。ファーンリーは「あれにはシビレたね」と、土壇場でのオーバーテイクを賞賛した。
「ニコは、ロズベルグのタイヤが冷えてしまったのをしっかり見抜いて、ラスカスからの立ち上がりの加速で勝てると考えたんだ。あれはニコの手柄だった。彼は自分のドライビングで、順位をひとつ取り戻してくれたのだから」