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田嶋伸博&TEAM APEV、100周年のパイクスに挑む。1500馬力超の車両をさらに改良

2016年06月02日 17:01  AUTOSPORT web

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2016 Tajima Rimac E-Runner Concept_One
6月20~26日、アメリカのコロラド州で開催される伝統のイベント『パイクスピーク・インターナショナルヒルクライム』に、今年も田嶋伸博とTEAM APEV with MONSTER SPORTが挑むことになった。

 雄大なロッキー山脈にそびえる、パイクスピーク。標高4301mの山頂までの約20kmを一気に駆け上がることから、“雲へ向かうレース”の異名をもつ世界的なイベントが、パイクスピーク・インターナショナルヒルクライムだ。今年で94回目の開催だが、初開催から100周年という記念すべき年となる。

“モンスター”の異名をもつ田嶋伸博は、長年このパイクスピークへの挑戦を続けており、2016年が28年目の挑戦。かつてはスズキともタッグを組み、これまで7度の総合優勝を達成。2007年、11年には世界新記録も更新するなど、パイクスピークの“主役”のひとりとして活躍している。今年は大会の発展に寄与したとして、大会殿堂入りすることが決定。93年に使用したマシンがミュージアムに永久保存されることが決定し、今季はこれらの式典が行われるという。

 そんな田嶋は、2012年から電気自動車の普及促進をめざす電気自動車普及協会(APEV)とともに、電気自動車の優位性を示すべく『TEAM APEV with MONSTER SPORT』として挑戦を続けている。100周年となる今季も、これまでの実績と経験を活かしたマシン『2016 Tajima Rimac E-Runner Concept_One』で好成績を狙いにいく。

『2016 Tajima Rimac E-Runner Concept_One』は、タジマモーターコーポレーション、SIM-Drive、クロアチアのリマック社の3社のコラボレーションによって生まれたレース専用電気自動車。パイクスピークは近年、EVによる苛烈な技術開発競争が続いており、E-Runner Concept_Oneは1.1メガワット(約1500馬力)の驚異的な高出力を誇る。

 今季はトルクベクタリング制御最適化、タイヤ性能向上、エアロダイナミクス性能向上など、そのパワーを活かすための改良を行い、大幅なタイム向上を目指している。

 100周年のパイクスピークは、今季も田嶋の最大のライバルであるリース・ミレンのeO PP100(同じくEV)と田嶋が総合優勝を争うことになりそう。同じ『エレクトリック・モディファイド』クラスには山野哲也も『4-Motor EV Concept』で参戦することがリストに記載されている。また、奴田原文雄もトヨタGT86でエントリーされている。

 昨年の優勝タイムは、ミレンの9分07秒222。これまでのレコードは、セバスチャン・ローブが2013年にプジョー208 T16で叩き出した8分13秒878となっている。今季はいったいどんなタイムが叩き出されるのか、田嶋とTEAM APEV with MONSTER SPORTの活躍に注目したい。