トップへ

TEAM無限 スーパーフォーミュラ第2戦 レースレポート

2016年06月02日 16:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

山本尚貴(TEAM無限)
2016 Race Report TEAM 無限

シリーズ名:2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第2戦
大会名:2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦
岡山国際サーキット距離:3.703km×68周(251.804km)
予選:5月28日(土)曇り・観衆:4,500人(主催者発表)
決勝:5月29日(日)曇り/雨・観衆:7,000人(主催者発表)

第2戦は荒天により途中打ち切り
TEAM無限、予選6番手よりスタート、5位でレースを終える

 5月28日(土)~29日(日)、岡山県の岡山国際サーキットで2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第2戦が開催された。このレースにTEAM無限は、#16 山本尚貴をドライバーとして参加した。#16 山本は鈴鹿サーキットで開催されたシリーズ開幕戦で優勝を飾っており、勢いに乗ってレースウィークを迎えた。

5月27日(金)
■専有走行
#16 山本 4位 1分16秒371

 今シーズンから金曜日の走行セッションが設けられた為、#16 山本は27日午後3時35分から1時間の走行を行った。天候は快晴で気温31°C、路面温度46°Cに達し、真夏のコンディションとなった。#16 山本は、セッションベストタイムこそ記録はしなかったものの、常に上位のタイムを記録しながら持ち込みセッティングの微調整を進めてこの日の走行を終えた。#16 山本のタイムは、1分16秒371、出走19台のうちベストタイムと0秒613差の4番手であった。



5月28日(土)
■ フリー走行 1回目
#16 山本 5位 1分13秒944

 明けて28日土曜日、午前9時00分から1時間にわたり、ドライ路面でフリー走行が行われた。気候は朝から雲がかかり前日からは一転、気温は低下しコンディションは大きく変わった。今シーズンはブレーキ磨材が変更になる予定だが、主催者側の準備の都合でこのイベントまでは従来のブレーキ在庫品を引き続き用いる。

 今シーズンより、1回のレースウィークに使用できるニュータイヤが従来の3セットから4セットに増えた。また持ち越しユーズドタイヤを含めた全体の持ち込みタイヤは8セットと変わらない。チームは、まずユーズドタイヤを使って、遅れているセッティングを進めることにした。

 セッション前半はユーズドタイヤを用いて、前日から引き続き持ち込みセッティングの確認が行われた。天候は決勝日へ向けて悪化の予報が出されており、コンディション変動に対する対応も進められた。#16 山本はセッション序盤にコースをオーバーランしてピットに一旦戻りチェックを行ったが問題はなく、その後コースに復帰して順調にタイムを短縮し始めた。

 上位陣は前日を上回る1分14秒台に突入したが#16 山本は1分15秒台前半でセッション前半を終え、後半のタイムアタックシミュレーションに備えた。セッション後半、コースオフした車両回収のため赤旗が提示され、残り時間15分でセッションが再開された。#16 山本は、ニュータイヤではなく、あらかじめ皮むきだけをしたタイヤを用いてタイムアタックのシミュレーションに入った。空からは細かい雨が落ち始めるというコンディションの中、真っ先に1分13秒台へ突入、その時点でのトップに立った。

 その後、#16 山本のタイムを上回る選手も出てきたが、セッション終了時点で#16 山本の順位はトップタイムと0秒322差の5番手と、上々のポジションでフリー走行を終えて公式予選に臨むこととなった。


■公式予選
#16山本(Q1:6位 1分14秒718 Q2:6位 1分14秒168 Q3:6位 1分14秒027)

 予選開始時点で気温は22°Cと、前日の専有走行とはまったく異なるコンディションで3回のセッションにわたるノックアウト方式の公式予選が始まった。従来通り、Q1は20分間のセッションで、上位14台がQ2へ進出するとともに15番手以降のスターティンググリッドが決まり、Q1上位14台が7分間のQ2セッションに進出してタイムアタックを行った結果、上位8台がQ3に進出して9番手以降14番手のスターティンググリッドを決定、Q3でポールポジションを含む上位8つのグリッドを争うという、通常の規則が適用される。

 20分間のQ1セッションは、午後2時10分から始まった。天候は薄曇り、#16 山本はユーズドタイヤを装着してコースイン、周回を始めた。4周目には1分15秒493を記録してその時点でトップに立ち、その後順位は下がったものの、6周目にタイムを1分15秒134まで縮めて2番手へ復帰、ピットへ帰還した。

 セッション後半、#16 山本は残り7分20秒の段階でコースイン、ニュータイヤを装着してタイムアタックに向かった。コースインラップを含めて3周をかけてタイヤをウォームアップ、チェッカーフラッグ提示直前に1分14秒718を記録、6番手へ食い込んでQ2進出を決めた。

 10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞られるQ2が午後2時40分から7分間の予定で始まった。#16 山本は低下した路面温度を考慮して十分タイヤを温めるためQ1同様コースインラップを含め3周をウォームアップに使い、計測4周目にタイムアタックに入った。結果は1分14秒715でこの時点では10番手。#16 山本はさらにアタックを継続、チェッカーフラッグが振られる中、1分14秒168を記録して6番手となりQ3に進出した。

 10分のインターバルを経て、午後2時57分にQ3が始まると、#16 山本は早々にコースインしタイヤのウォームアップに入った。計測4周目、1分14秒027を記録してその時点でトップに立ったが、その後そのタイムを更新する選手が現れて順位は繰り下がり、6番手のスターティンググリッドを手に入れた。ポールポジションからは0秒407の差であった。


5月29日(日)
■フリー走行 2回目 #16 山本 8位 1分17秒136

 当初晴れ間も見えていた岡山国際サーキットの上空は徐々に曇り、湿気も増えて天候が悪化していく中、ドライコンディションでフリー走行2回目が午前9時より行われた。決勝用セッティングを確かめる場ではあるが、決勝レースが始まる頃には降雨の予報もあり、雨用セッティングも考慮しなければならない難しいセッションとなった。

 #16 山本は、快調にタイムを縮め10分経過時点で1分17秒947を記録、7番手につけた。ところがセッション中盤にコースオフした車両を回収するためにセッションは赤旗で中断された。7分間の中断を挟んでセッションは残り13分で再開。#16 山本はさらにタイムを1分17秒136まで縮め、出走19台中8番手でセッションを終えた。

■ 決勝
#16 山本 5位(8周 22分10秒788 ベストラップ2分35秒385)

 フリー走行の後は小雨が降りはじめたが、サポートイベントの全日本F3選手権レースが終わる頃には一旦小康状態となった。しかし、午後3時の決勝レーススタート時刻が近づいてくると雨が強まり、スタート時にはフルウェットコンディションとなった。

 決勝レーススタートはセーフティカー先導でのスタートとなった。競技規則上、ダミーグリッドから走行を始めた時点で68周の決勝レースはスタートしたものと扱われる。本来ならば競技車両のタイヤウォームアップが完了した時点でセーフティカーが退き、レースが「再開」される予定だったが、路面状況が悪くコース各所に深い水たまりが出来る状況で、さらに霧も降りてきてレースが再開できる状況ではなくセーフティーカーランは8周に渡って続いた。その間、大雨によるトラブルの為かピットインをするチームも出る中、#16 山本はポジションを守ったまま走行を続けた。6周目には2番手を走っていた選手がマシントラブルで停止したため、#16 山本の順位は5番手に繰り上がった。

 結局競技団はレース再開の目途が立たないとしてレースをそのまま赤旗で中断し、競技車両を9周目のホームストレート上に停止させ天候回復を待つこととなった。しかし天候は回復せず、午後4時5分、レース再開を断念して以降のレースを打ち切った。レース結果は競技規則により赤旗提示前に完結した8周目の順位で決定することとなり#16 山本、は5位でレースをフィニッシュした。

 なお走行距離がレース距離の75%未満だったことを受け、競技規則により入賞ドライバーには、選手権ポイントの半分が与えられることとなった。その結果、#16 山本はドライバーズポイントに2点を加算して通算13点とし、ランキング首位の座を守った。またTEAM無限はポイントを12点とし、ランキング2番手につけた。シリーズ第3戦は、7月16日~17日、富士スピードウェイで開催される予定である。


■山本尚貴選手コメント
同じ岡山のウィンターテストでは速かったですし、開幕戦でもあれだけのパフォーマンスを見せられたことを考えると、この順位はふがいないです。これは本来望んでいた結果ではなかったですね。結果的にクルマをまとめきれませんでした。金曜日のような気温の高い状態で走ったことはなかったので、持ち込みの状態から合わせ込んでいくのに戸惑って、どこかで何かを間違ってしまい、それを修正できずにQ3まで行ってしまった、という感じです。残念な思いが残りますけど、今となってみればQ3に残って6番手ではありましたけど、ちゃんとスタートができてひとつポジションを上げて貴重なポイントを取ることにもつながったので、正直「傷口が浅くて済んだ」と思っています。今日のコンディションは、とてもレースが出来る状態ではありませんでした。セーフティカーの速度で走っていてもまったく前が見えない状態でした。もちろんドライバーとしてはいつでもレースを始められるよう気持ちの準備はしていましたが、競技団の判断は賢明であったと思います。ただ、お客様が最後まで残っていてくれたのにレースを見せることができなかったことについては非常に残念で申し訳ない気持ちで一杯です。でもそこは御理解をいただきたいと思います。次の富士のレースに向けては、開幕戦と岡山とでパフォーマンスに浮き沈みがあるので、それが何から来ているのかを見極めて臨みたいと思っています。



■手塚長孝監督コメント
大雨になってしまったため、レースがこういう形で終わってしまったことを残念に思います。観戦に来て下さったお客様に、ちゃんとしたレースを見せられなくて非常につらい気持ちでいます。安全を考えての事なのでお客様には理解していただけると幸いです。ピットからも、厳しい状況の中でお客様が頑張って待っていてくれたのがわかりました。その気持ちに何かの形でお返しをしたいと思っています。練習走行開始はウィンターテストで良かった仕様からスタートした訳ですが、伝わってくるフィーリングに良い感触は無かったですね。予選も満足のいく順位ではありませんでした。我々が望んでいたポジションではないのはスタッフも山本もわかっていると思います。悔しいです。決勝レースは、悪天候でライバルのトラブルもあり、5位で終わりました。選手権ポイントとしては半分ですが、シリーズのことを思えばきちんとポイントを重ねられたことには意味があると考えています。次の富士でのレースに向けては、岡山の不調の原因を究明して戦う事が重要ですし、そうしなければなりません。

応援して下さっているファンの皆様、協力してくださっている関係者の方々に今回のレースの分も喜んでいただこうと準備を進めます。

引き続き応援の方よろしくお願いいたします。