F1モナコGPでダニエル・リカルドが優勝を逃す原因となった、ピット作業での失態を二度と演じることがないよう、レッドブルは予防のための対策を導入するという。チーム代表のクリスチャン・ホーナーが、前戦での敗北でチーム全体が「大きな落胆」に包まれていることを受け、徹底的な分析を進めていると明言している。
ピットに戻ったリカルドのタイヤが準備されていなかったことの根本的な原因は、通常とは異なるガレージのレイアウトにあったと、レース後にホーナーは説明。リクエストのあったスーパーソフトタイヤの準備が遅れたことにより、リカルドはハミルトンの後ろでコースに復帰することになり、そのまま2位でレースを終えた。のちに行われた調査をふまえて、ホーナーは以下のように述べている。
「モナコでは、すぐそこに勝利があったというのにピットレーンでの伝達ミスによって失うことになり、非常に落胆している。何が起きたかと、その原因についての大量の分析が不可欠だ。このようなことが二度と起こらないよう、予防策を講じていく。何かひとつの事柄が根本的な原因であるということはない。レース中にあった数多くの要素、たとえばマックス(フェルスタッペン)のピットストップ、中止にしたピットストップ、タイヤコンパウンドの変更などが組み合わさって起きたことだ。あると思い込んでいたタイヤがガレージ内ではなく取りに行きづらい場所にあり、ダニエルが帰ってきたタイミングで用意できなかったという事態に、すべての出来事がつながっていたのだ」
ホーナーは「特定のスタッフに責任があるわけではない」という考えを示しながらも、深く理解することで、二度と失態を起こさないことを望んでいる。
「非常にくやしかったけれど、誰かひとりに責任があるようなことではない。レース後に話したように、チームは全体として勝ったり負けたりするものだ。何が悪かったのかを理解し、チームとして問題を解決し、二度と同じ間違いをしないような方策を取ることだ。競争力を必要とされる競技では、常に限界で攻めることになる。モナコでもそうだった。今後は、どんなシナリオになろうともカバーできるような確固とした策を講じる必要がある」
ホーナーは「大きく落胆した」リカルドが、過去にとらわれることなく、今後のレースに向けて集中していくことを望んでいる。
「時計を巻き戻すことはできないが、今後に期待することはできる。彼は現在ドライバーズランキングで3位につけており、次のカナダは(2014年に初優勝した)思い出深いサーキットだ。そこでも競争力のあるマシンを用意できることを願っている」