あなたは自分のクレジットカードの「支払方法」を把握しているだろうか。常に「一括払い」にしていれば問題ないが、「リボルビング払い」(リボ払い)にすると毎月手数料がかかり、それが原因で多額の借金を背負ってしまう場合もある。
驚くことに、自分で承知のうえで借金を背負うのではなく、知らないうちに「リボ払い」になっていると訴える人もいるのだとか。5月31日放送の「あさイチ」(NHK総合)では、そんなクレカの「落とし穴」について取り上げていた。
気づくのが遅れ、手数料だけで70万円以上になった人も
リボ払いとは、あらかじめ決めておいた金額に分割して月々払う方法。収入に応じた額を使えるのがメリットだが、年率15%の手数料がかかる。番組は去年初めて自分のクレジットカードを作った専業主婦のユキコさん(34歳)の例を紹介した。
ユキコさんは、買い物をする際に「一括払い」と指定したが、なぜかリボ払いに。驚いてカード会社に問い合わせたところ、「初期設定がリボ払いになっています」という答え。カード加入時に説明はなく、思いもよらない出来事だった。
「リボ払いの言葉自体も言われなかったので、おかしいんじゃないかと今も思っています」
本人に覚えのないリボ払いトラブルは増えており、国民生活センターへの相談件数がこの10年で8倍に増加している。気づくのが遅れ、手数料だけで70万円以上になっていたケースもあるという。ゲストの山口もえさんは、リボ払いにもいいことがあるとしつつ、怒ったようにこう言い放った。
「リボ払いじゃなくてよい人にとっては、手数料取られるってどういうこと!?って思いますよね?」
「一括で」と答えてもリボ払いになる場合もある
日本クレジット協会によれば「法律で説明が義務づけられているものの、契約書や会員規約に書いてあれば違法ではない」とのこと。山口さんは「えー! ずるいですよね!」と不満顔。ジャーナリストの柳澤秀夫さんも「(規約なんて)小さい字でガーッと書いてあるし」と分かりにくさに賛同した。
さらに、初期設定どころか「リボ専用カード」も存在するので注意が必要だ。司会の井ノ原快彦さんは、支払い時に「一括ですか?」とお店側が聞いてくる意味はないのか、「リボ専用になっている人は聞かれないってことなんですか?」と訊ねた。
解説していた瀬田宙大アナウンサーが、「仮に聞かれたとしても、結果的に回ってくる明細はすべてリボになっています」と答えると、イノッチは、
「えっ、じゃあ『一括でお願いします』って言っても、リボになってんの? なんだそりゃ! ハハハ」
と呆れ顔で苦笑い。「明細を確認するしかないので」と言われても、「えー! なんだよ。びっくりしちゃうね」と納得いかない様子だった。
利用者の認識の甘さも原因のひとつに
消費者問題に詳しい池本誠司弁護士は、カード会社に対して「違法とは言えないが、あまり知られていないのにはっきり説明しないのは誠実ではない」としつつ、一方で、私たち利用者の認識の甘さも指摘していた。
「借金感覚の希薄化、『カードで払うことは借金』ということを理解しきれていない部分が、人によってはある」
番組には、クレジットカードのセールスに携わっていた30代の女性から「いくら(利用者にきちんと)説明しても、『年会費無料』や『ポイント2倍』のメリットの部分しか記憶してくださらず、クレームになることもありました」というメッセージも寄せられた。
利用者側の自覚が足りないという問題もあるのだろう。利用明細をしばらく見ていない人は、今すぐに確認した方がよさそうだ。(ライター:okei)
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