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ピレリ「クロスオーバーポイントを迅速に判断することが勝負の決め手に」

2016年05月30日 12:21  AUTOSPORT web

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F1第6戦モナコGPで優勝を飾ったルイス・ハミルトン
2016モナコグランプリ 決勝
2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン、
フルウェットと初登場のウルトラソフトを使用して優勝

ウェットレースにより、全5種類のタイヤが使用可能となり、戦略の幅は広範囲に
フルウェット、インターミディエイト、スリックタイヤと繋ぐ2ストップ戦略が主流に

2016年5月29日、モナコ
 ウェットコンディションの中、セーフティーカー先導で始まったモナコグランプリ決勝は、レギュレーションによって全ドライバーがCinturatoブルー・フルウェットタイヤを装着してのスタートとなったことで、レース戦略の複雑性を一変させました。

 7周後にセーフティーカーが退き、大半のドライバーが徐々にインターミディエイトへと移行しました。フルウェットのままステイアウトした2名のドライバー中の一人であるメルセデスのルイス・ハミルトンは、路面が乾いた31周目、P Zeroパープル・ウルトラソフトへ交換しました。

 ポールポジションからスタートしたレッドブルのダニエル・リカルドは、ハミルトンより1周後にP Zeroレッド・スーパーソフトへ交換しました。このピットストップに時間を要したことから、リカルドはハミルトンの後方でコースへ戻り、その後、両者による激しい闘いが繰り広げられました。

 8番グリッドからスタートしたフォース・インディアのセルジオ・ペレスは、フルウェット、インターミディエイト、P Zeroイエロー・ソフトタイヤへと繋ぐ戦略を採り、3位を獲得しました。

 レース全般を通して、モナコに持ち込まれた全5種類のタイヤ(フルウェット、インターミディエイト、ソフト、スーパーソフト、ウルトラソフト)が使用されました。ウェットレースになったことで、2種類のスリックコンパウンドの使用義務は無くなりました。ハミルトンは、ウルトラソフトで、テストやフリー走行でも見られなかった47周という長い距離を走行し、レース終盤にファステストラップを記録しました。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「ウェットコンディション下でのスタートとなり、各チームは、最新世代のマシンによるモナコでのウェット走行データが無い中で、フルウェットとインターミディエイトのクロスオーバーポイントの判断に迫られ、モナコでは珍しくないことですが、迅速な戦略決定が必須となりました。多彩な戦略が展開され、ルイス・ハミルトンは、フルウェットのままステイアウトしてウルトラソフトへ繋ぐ、見事な戦略を実行し、それが優勝の決め手となりました。オーバーテイクが非常に難しいモナコで、素晴らしい戦略によるポジションアップが数多く見られました」



コンパウンド毎のラップタイム上位:

ソフト
1 ベッテル 1分18秒005
2 ペレス 1分18秒446
3 ヒュルケンベルグ 1分19秒232

スーパーソフト
1 リカルド 1分18秒294
2 サインツ 1分18秒519
3 アロンソ 1分19秒170

ウルトラソフト
1 ハミルトン 1分17秒939
2 ロズベルグ 1分18秒763
3 グティエレス 1分19秒131

フルウェット
1 ハミルトン 1分30秒844
2 ウェーレイン 1分33秒794
3 リカルド 1分34秒360

インターミディエイト
1 マッサ 1分29秒462
2 グティエレス 1分29秒713
3 マグヌッセン 1分29秒802

最長スティント:
ソフト 48周(ペレス)
スーパーソフト 47周(バトン)
ウルトラソフト 47周(ロズベルグ、ハミルトン)
インターミディエイト 24周(ナッセ)
フルウェット 31周(ウェーレイン、ハミルトン)

Truthometer:
我々は、ウルトラソフトとスーパーソフトを使用する1ストップ戦略が主流となる中、2ストップを最速戦略と予測しました。雨によって戦略は一変し、ハミルトンは、31周目にフルウェットからウルトラソフトへと交換しました。マノーのパスカル・ウェーレインも同じ戦略を採りました。