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決勝後半:メルセデスが1-2-3-4。ブラックファルコン4号車がニュル制覇

2016年05月30日 04:41  AUTOSPORT web

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4号車メルセデスAMG GT3(AMG-チーム・ブラックファルコン)
ノルドシェライフェを舞台に開催された「第44回ニュルブルクリンク24時間」は、5月29日(日)午後3時半にフィニッシュ。メルセデスAMG GT3のブラックファルコン4号車(ベルント・シュナイダー/マーロ・エンゲル/アダム・クリストドーロウ/マヌエル・メッツガー)が合計タイム24時間7分46秒500で優勝を飾った。2位はわずか5.697秒差で同じくAMG GT3のHTPモータースポーツ29号車。AMG GT3勢がトップ4を独占した。

 AMG GT3勢による激しい上位争いは、夜が明けるとさらにヒートアップ。各車ともピットストップをはさみながらも、スプリントレースさながらの秒差の戦いが続いた。スタート後19時間を過ぎた時点でトップだったハリボ・レーシングのAMG GT3 88号車は、ブラックファルコン4号車、そしてHTPモータースポーツ29号車と僅差でトップ争いを展開。BMW M6 GT3勢は、シューベルト・モータースポーツの100号車が健闘するも、終盤バックマーカーを処理する際に不運なクラッシュに巻き込まれてリタイア。AMG GT3の覇権は揺るぎないものとなった。

 AMG GT3同士の優勝戦いはチェッカー間際まで続き、ラスト数周で大幅にペースダウンしパレード走行をするバックマーカーを、まるでシケインのようにクリアしながら走行。ブラックファルコン4号車のステアリングを握っていたエンゲルが「僕たちは最後まで全開で戦っていたから、動いていないような遅いマシンを抜かすのは本当に恐かった」と言うほど、真剣な優勝争いが最後まで続き、最終的にはファイナルラップでHTPモータースポーツ29号車を逆転したブラックファルコン4号車が優勝。彼ら2台の最終的な周回数は134周だった。

 AMG GT3以外の最上位は、5位に入ったローヴェ・レーシングのM6 GT3 23号車。6位はチーム・ザクスピードのAMG GT 75号車、7位はチームABTのベントレー・コンチネンタルGT3 38号車。2連覇中だったアウディは、去年の覇者であるチームWRTが走らせたR8 LMS 2号車の8位が最上位。昨年投じたばかりの新型R8 LMS がまったく勝負にならなかったことに、アウディのカスタマーレーシング部門関係者はショックを受けていた。

 日本勢では、9位という昨年の記録を上まわることが期待されていた、ニッサンGT-RニスモGT3(ニッサンGTアカデミー・チームRJN)の11位が最高位。昨年と基本的に同じ仕様のマシン、そしてこのレース独自のBoP(性能調整)により、エンジンの最高出力が去年よりも30馬力程度下がり、ドイツ勢とまともに勝負をすることができなかった。マシンはノートラブル、ドライバーはほぼノーミスで24時間を走りきったが、シングル入賞にはあと一歩届かなかった。

 日本車勢2番手は、昨年に続きSP 3Tクラス優勝を果たしたSTIのスバルWRX STI。WRX STIはクラストップを走り続け、ライバル関係にあったクラス2位のアウディTT RS 104号車が残り約2時間というところでストップ。最後は余裕の展開となり、SP 3Tクラス優勝と総合20位という素晴らしい結果を残した。

 トムスがマシン開発とチーム運営に協力した、トヨタ・ガズーレーシングwithトムスのレクサスRC Fは総合24位。マシンはカップカーとGT3の中間的な仕様で、クラスは唯一のエントリーとなるSP PROだった。そして、市販車の発売に先がける形で出場したSUVタイプのクロスオーバー、C-HRは途中ガス欠で止まりながらもSP 2Tクラス3位、総合83位で完走。今回のニュルブルクリンク24時間は全部で158台のマシンがスタートし、完走は101台だった。