全日本F3選手権第6戦は29日、岡山国際サーキットで決勝レースが行われ、ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)が優勝した。
前日の予選、第5戦とは異なり、レインコンディションでスタートを迎えた第6戦。フォーメーションラップでは9番手スタートの三浦愛(EXEDY B-Max F312)がエンジンストールか、動き出しが遅れるアクシデントがあったものの、その後スタートを切り、隊列に合流した。
迎えたスタートではポールシッターのマーデンボローの動き出しが鈍く、後続の千代勝正(B-MAX NDDP F3)、牧野任祐(TODA FIGHTEX)らが襲いかかる。
なかでも、千代はアトウッドコーナーでマーデンボローの背後につけると、バックストレートエンドで並びかけていく。そのままヘアピンへの進入でオーバテイクを仕掛けるかと思われたが、直後のブレーキングで止まりきることができずにコースアウト。グラベル奥の芝生まで飛び出してしまい、大きく順位を落としてしまった。
後続からのプレッシャーが弱まったマーデンボローは、オープニングラップで2番手の牧野に対し2.1秒以上のギャップを築いて独走態勢へ入っていく。
その後方では思うようにタイムを上げられない4番手の山下健太(ZENT TOM'S F312)に対し、5番手の石川京侍(TODA FIGHTEX)が襲いかかると、ダブルヘアピンひとつめの飛び込みでオーバーテイク。5番手にポジションを落とした山下は、その後もペースを上げることができず、徐々に後退してしまった。
トップのマーデンボローは、ひとり1分42秒台に入りファステストラップを記録する圧倒的な速さでギャップを広げるなか、後続では難しいコンディションに苦しめられるドライバーが多く見られた。
8周目には、4番手にポジションを上げ、前を走る坪井翔(ZENT TOM'S F314)へ迫った石川がバックストレートエンドでコースオフ。後方の阪口晴南(HFDP RACING F312)にオーバテイクを許してしまう。
5番手に後退し、前を行く阪口を追いかける石川は19周目、今度はアトウッドコーナーでオーバラン。今回は後続とのギャップが十分あったため、順位を落とすことなくコースへ復帰していった。
トップを快走するマーデンボローは、最終的に2番手以下に25秒もの大差をつけてトップチェッカー。全日本F3初優勝を飾った。
2位にはオープニングでポジションを上げた牧野、3位は坪井と続き、今年から全日本F3へ参戦するドライバーが表彰台を占める形となった。
F3-Nでは、昨日の第5戦と同様にスタートでポジションを落とした片山義章(Petit LM Racing)が2周目に首位のDRAGON(B-Max Racing F308)を交わしてトップに浮上。そのまま逃げ切り、地元岡山ラウンドで2連勝を飾っている。