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復活の狼煙はいつ──可夢偉「僕のなかでは“第0戦”のまま」

2016年05月29日 21:11  AUTOSPORT web

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決勝レース中、ステアリングトラブルが発生していた小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)
6月29日に決勝レースが行われたスーパーフォーミュラ選手権第2戦岡山。あいにくの悪天候で8周で赤旗終了となったレースで、小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)は8周中3度のピットインを行い、18位でレースを終えた。

 可夢偉はオープニングラップ直後にピットインするとステアリングを交換。その後も8周のレースで計3回ピットインを行い、その3回すべてでステアリングを取り替えた。

「走っていると電源が落ちてしまうトラブルが出ていた」と可夢偉は明かす。

「システム上、電源が落ちるとクラッチが切れた状態になるんです。アクセルを踏んでもダメですし、ギヤチェンジもできませんでした。この症状が1周につき5~6回は出ていましたね」

「トラブルの原因はステアリング内部の配線が切れていたこと。ハンドルを切ると電源が落ちてしまって、ハンドルを戻すと電源が復活するんです。ただ、この症状は赤旗中に解決できたので、もしレースが再開されていても問題ありませんでした」

 可夢偉は予選後、「決勝で雨が降れば勝てる」と強い自信をみせていた。そして、ウエットコンディションで行われた8分間のウォームアップ走行でも手応えがあったと言うだけに、レースが赤旗終了となったこと、ステアリングに断線のトラブルが出たことが悔やまれる。

 また、ドライの予選結果では思うようにタイムを出せず、クルマのセットアップで「ハマっている」ことを明らかにした可夢偉だが、この決勝日の午前中に行われたドライの30分間のフリー走行で、不振脱出の道筋が見え始めたという。

「僕には予選7分間(Q1で2度目のアタックを行うための時間)では時間が足りないようですね。タイヤには熱を入れているつもりですし、ウォームアップのラップタイムは前のクルマより速いんですけど、いざアタックすると全然(タイヤが)温まっていないんです。タイヤの使い方に問題があるのかなと考えています」

 走りの方では良くなる兆しが見えたようだが、今回のステアリングトラブルだけでなく、前回の開幕戦鈴鹿ではタイヤ交換時に右リヤタイヤが正しく装着されていなかったなど、とにかく今年の可夢偉&SUNOCO TEAM LEMANSにはアクシデントや不運が目立つ。2年目の今年の可夢偉には上位で戦う姿はもちろん、タイトル争いに加わるようなパフォーマンスが期待されていることは言うまでもない。

「僕のなかでは、まだ“第0戦”のままです。次の富士が“開幕戦”だと考えていきますよ」と前を見据える可夢偉。全7戦のうち、2戦と落とした状態からチャンピオン争いに加わるのは、通常なら厳しいはず。次の富士戦が、早くも今年の可夢偉の正念場となる。