第44回ニュルブルクリンク24時間 決勝 午後3時30分にスタートした「第44回ニュルブルクリンク24時間」は、スタートから約50分後、コース上に突然雹(ひょう)を含む強い雨が降り始めた。
雹は最大でビー玉ぐらいもある大きなもので、コースの所々では降り積もった雹によりあっという間に真っ白に。何台ものマシンがスリップし、マシンのコントロールを失う選手が続出。急坂ではスロー走行でも斜面を登れなくなるマシンもあった。ポルシェの事実上のワークスチームであるマンタイ・レーシングのポルシェ911 GT3 R 911号車をドライブしていたニック・タンディはバリアに激突し、マシンに大きなダメージを受けリタイアに追い込まれた。また、メルセデスAMG GT3 30号車もクラッシュ。普通に走ることすら不可能なコースコンディションに対し、主催者は迷うことなくレッドフラッグを提示。レースは赤旗中段となり全マシンがピットへと戻った。
コースのコンディションはなかなか好転せず、各所で強い雨が降り濃い霧が出ていたこともあってレースは長らく中断。しかし19時20分、強く降る雨の中レースはセーフティーカー先導による3周のインフォメーションラップの後、再開した。雨は段々と弱まっていったが、グリップが安定しないトリッキーな路面でクラッシュするマシンは後をたたず、レースは荒れた展開が続いた。
レースは序盤、ローヴェ・レーシングのBMW M6 GT3 22号車がリード。2位のHTPモータースポーツ・メルセデスAMG GT3 との差はわずか1.626秒。それをハリボ・レーシングAMG GT3の2台(8号車、88号車)が追っていた。しかし、その後レースはアクシデントやトラブルで混戦状態となり、スタートから約10時間後の時点では 88号車を筆頭に、9号車、29号車、30号車と4台のAMG GT3が上位に。それをM6 GT3 100号車が追うなど、全体的にはAMG GT3勢が好調。そして開始から約16時間が終了し朝を迎えた時点ではAMG GT3勢が依然トップ4を独占している。
日本車勢の最上位は、星野一樹らがステアリングを握る、ニッサンGTアカデミー・チームRJNニッサンGT-RニスモGT3 35号車。トップを争うスピードはないが、安定した走りを続け総合14位につけている。そして、スバルWRX STI 106号車はSP 3Tクラスのトップを快走中で、総合でも22位を走行と健闘中。トムスが開発に携わりSP PROクラスにエントリーしているレクサスRC F 36号車は総合35位を走行している。