2016年F1第6戦モナコGP予選、トップ10で終えたドライバーたちが、予選日を振り返った。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 予選=1位
嬉しいよ! 必要な時にうまくまとめることができた。予選でひたすらパフォーマンスを向上させていき、リズムを見つけ、Q3の最初のランでやるべきことができた。
今年は常に予選ですごくいい走りをしていると思う。そしてF1で初のポールをここモナコで獲得できたというのが最高に嬉しい。どこよりもここはポールの価値がある場所だからね。
明日はポールを優勝につなげたい。それが僕らのプランだよ。チームにとっても久しぶりのポールポジションだから、最高の気分だ。
今週末は最初から、自分が今日この位置に立てると信じていた。その確信が現実になったのは素晴らしいことだ。
いいラップだった。あのラップを走った後、それを破るのは難しいだろうと思っていた。僕らはメルセデスを相手に高い競争力を示していたけれど、Q3までは最高の出来のラップを走れていなかったんだ。
Q2ではスーパーソフトを使ってとてもいいラップタイムを出すことができた。だから明日のレースはこのタイヤでスタートする。これによってピットインのタイミングについて選択肢が増えるだろう。それ(Q2での自己ベストタイムをスーパーソフトで記録すること)ができれば、ちょっとした“おまけ”が手に入ると思った。だからやってみたんだ。今の時点では見通しが明るいと感じる。明日何が起こるのかはまだ分からないけど、より柔軟に対処できる可能性が高まるはずだよ。
今日やるべきことはポール獲得で、それを達成できた。明日どうなるかを見ていこう。でも僕は今まで、やれることはすべて実現させてきた。
(予選トップ3記者会見で語り)この数戦、いい走りをしていたのに、それが十分に報われていなかった。
(スペインGPでは勝利を失うという悔しい出来事があったが、今夜はよく眠れるのでは、と聞かれ)今夜は間違いなくぐっすり眠れると思う。やろうと思っていたことを達成したという実感があるからね。24時間後にまた同じ位置に戻って来たい。
スペインの決勝は僕には不利な展開になったけど、それを跳ね返して立ち直りたいと思っていた。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 予選=2位
ダニエル(・リカルド)が予選Q3の最初のアタックラップを走った時、ものすごくびっくりした。『くそっ! とんでもなく速いな!』と思ったんだ。
それ以上のタイムを出そうとベストを尽くして、少し近づけたけど、残念ながらポールには届かなかった。
レッドブル、特にダニエルは今日本当に素晴らしい仕事をした。初めてのポールポジションを獲得した彼におめでとうと言いたい。自分にとって初ポールをここモナコで獲得できるなんて、最高の気分だろうね。
明日、僕らにも勝てるチャンスはまだ残されている。スタートで、ダニエルは僕らより硬いタイヤを履くから、グリップレベルも低い。だからそこが順位を上げるチャンスになるだろう。
中国で僕が皆より硬いタイヤを履いてグリッドについた時、スタートで彼に追いつかれた。明日、その時のお返しをして、彼を追い抜けるといいね。
週末を通してスタート練習を繰り返してきた。面白いことになりそうだよ。モナコという最高のサーキットでレースをするのが待ちきれない思いだ。
Q3序盤に彼が出したタイムにはびっくりした。僕は自分がいいタイムを出したと思っていたんだ。でも彼はコンマ3秒速かった。そのタイムに追いつくのは難しいと分かっていた。自分がポールを逃したとは思っていない。今日の僕には不可能だった。今日の彼は速かった。ポールに値する。僕の速さは十分じゃなかったんだ。
レッドブルは最近素晴らしい仕事をして進歩している。エンジンがよくなったことでまた大きく前進した。彼らはライバルだ。フェラーリもそうだ。でも、モナコは独特のサーキットだから、結論を出すのは控えるけどね。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 予選=3位
今日は(トラブルが起きなければ)ポールが取れたと思う。
今は言葉が見つからない。今日は僕が誰よりも速かった。なのについてないことに、予選Q3序盤でトラブルが発生したことで、そのペースを活用することができなかった。走れたラップでベストを尽くしたし、そのことにはとても満足している。
バンカーラップにするはずのラップが最後のアタックになった。少なくとも10位じゃなくて3位からスタートできる。
明日に向けてレッドブルは違う戦略を取った。ダニエル(・リカルド)がスーパーソフトでスタートするんだ。それがどれぐらいの効果を発揮するのか僕には分からない。でも(スーパーソフトとウルトラソフトの)コンパウンドはほとんど同じだから、ウルトラソフトでスタートすることが僕らにとって有利に働くとは思わない。
ダニエルは、ターン1にトップで入っていけさえすれば、その後はそこにい続けるだけでいい。後ろの僕らがバトルをしてタイヤを消耗している間に、彼はできるだけうまくマシンを使い、タイヤを持たせればいいんだ。ここはオーバーテイクがほぼ不可能だからね。
一番柔らかいタイヤですらあまりにも硬い。だから、ドライコンディションなら簡単に1回ストップで走り切れるはずだ。そうなると厳しいね。
だから僕らとしては雨が降って状況が混乱することに期待する。前回ここで3位からスタートした2008年に、僕は勝っている。スタート前には、チャンスはなくなったと思っていた。でも最終的に素晴らしいレースになったんだ。
だから状況を見ていくよ。何が起きてもおかしくないからね。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 予選=4位
もちろんすごくがっかりしている。木曜から今日までうまくマシンを改善してきて、かなりよくなっていたんだ。今朝はいいスタートができたし、もっと向上する余地があることも分かっていた。だから全く心配していなかった。
でも予選が進むにつれてグリップを引き出すのがどんどん難しくなっていった。このサーキットではグリップがないことで受ける打撃は他のサーキットよりも大きい。
マシンのスライドがひどくなってきた。今の時点では理由は分からない。誰もがどんどん自分のタイムを更新していたのに、終盤になっても僕らは序盤と同じようなラップタイムで走っていた。
僕はやれるだけのことをやった。でも午前中ほど快適に走れなかった。トップにつけるチャンスを逃したから残念だ。もっとずっといい結果を期待していた。このクルマには期待できる理由がいくつもあったからだ。
でも2、3時間たてば、明日のレースが楽しみになってくるだろう。僕らのマシンはとても優れているし、ペースもすごくいいからね。
(予選終盤には)Q1と同じグリップを得られなくなった。皆はどんどんよくなっているのに、僕らはどんどん悪くなっていっているみたいだった。
(他のマシンの)ラップタイムに手が届かなかったとは思わない。僕らがリズムを失っていったことが問題だ。
モナコは退屈なレースになるかもしれない。でも逆にものすごくエキサイティングなレースにもなり得る。レースの展開によって僕らが力を発揮できるかどうかが決まるだろう。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 予選=5位
とても満足だよ。今日はトップ10に入れるだけのスピードがあると分かっていたけれど、予選5番手は期待以上だった。週末が始まった時からいい雰囲気があって、木曜日のフリー走行が始まった時から快適に、自信を持って走れていた。
バルセロナでは大きな前進を果たした。今日の結果はマシンが特に低速コーナーでうまく機能していることを証明している。
Q1、Q2ではクリーンで整ったラップを走れたし、Q3の最後のラップでうまく決めることができた。
もちろん予選を終えても仕事を半分こなしたにすぎず、長いレースが待ち構えている。明日は多くの要素が関わってくる。モナコでは、簡単なことなどひとつもない。いい結果を得るためにはいつだって懸命に走らなければならないけれど、重要なポイント獲得に向けていいポジションにつけることができた。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 予選=6位
今週末はずっと苦労している。ただ、今朝はマシンの感触がよくなり、予選でまた少し改善した。
間違ったことはしていない。でもタイヤを思いどおりに機能させることができずにいる。グリップがあまりにも足りず、リヤが滑ったり、フロントがスライドしたりしている。こういうサーキットで一貫したグリップがないと、それだけでタイムを大幅に失う。
もちろんこの位置には満足していない。その上、ギヤボックス交換によってグリッド降格のペナルティを受ける。それでも現状から最大限の結果を出すために努力していく。
明日どうなるか予想はできない。レースが簡単ではないのは確かだが、モナコでは通常いろいろなことが起こるから、それをうまく活用し、セーフティカーが出た場合には正しい判断をし、適切な決断を下していく。
■スクーデリア・トロロッソ
カルロス・サインツJr. 予選=7位
予選にはとても満足しているし、明日のレースについてもすごく楽観的に考えているよ!
予選は7番手だけど、キミ(・ライコネン)のペナルティでひとつグリッドが繰り上がる。つまり6番グリッドからスタートすることになるんだ。モナコのようなコースでは素晴らしいポジションだ。
モナコでいい予選アタックができるということは、マシンを信頼して走れるということだし、限界まで攻めているということだから、とても嬉しい。マシンもチームもすごく快適だ。こんなパフォーマンスが発揮できたことがその裏付けだよ。
僕らにはこの週末ずっと速さがあり、とてもいいマシンを手にしているから、明日のレースは有望だと思う。楽しみだね。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 予選=8位
今日の僕らはとてもペースがよく、木曜日と比較すると前進を遂げることができたと思う。でもタイヤを温めるのに苦労したから、その問題がなければもう少し上に行けたような気がしているんだ。
何にしても7番手はスタートするのにいい位置なので(ライコネンのグリッドペナルティにより昇格)、上位を狙っている。モナコの予選は1年の中でも最も重要だから、トップ10圏内からスタートできるのはいいことだけど、このレースがどれだけ予測不可能であるかも知っている。何が起きてもおかしくない。セーフティカーが出るかもしれないし、雨になるかもしれない。その場合は素早く対応し、正しい判断をしなければならない。さらには、少しの運も必要だ。
モナコで大切なのはコース上でのポジションだから、いいスタートを切ることが不可欠だ。明日はまた違う一日になる。挑戦することを楽しみにしているよ。
■スクーデリア・トロロッソ
ダニール・クビアト 予選=9位
今日の予選にはあまり満足していない。最終ランのセクター3で、縁石に強くヒットしてしまったと思う。Q3で少しタイムが落ちたのは、そのせいかもしれない。マシンはQ2と比較すると、明らかに挙動に違いがあったから、これを分析しなければならない。9番手よりも上で終われたかもしれないんだ。
大きなポテンシャルを秘めた、強いマシンだと分かっているだけに、この結果はかなり残念だ。そうは言っても、明日に向けては自信がある。ポイント獲得のチャンスも十分あるだろうし、そのために懸命に戦うよ。
■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 予選=10位
Q1が赤旗中断となり、少しストレスがかかった。残された時間はわずか6分だというのに、全くタイムを出していなかったんだ。
今日はQ3進出を目指していた。でも今も自信を持ってマシンに乗れる状態ではない。完璧な感触を得られず、コーナーを限界まで攻める自信が持てなかった。
今週末を前に立てていた予想は、少し楽観的すぎたかもしれない。でも明日どうなるかを見てみよう。雨でも雪でも、何かレースを動かす要素が僕らには必要だ。スタートがレースの展開を決定づける。でも天候がよりエキサイティングなショーをもたらしてくれることを期待している。
いくつかポイントを獲得してこの週末を締めくくることができれば嬉しいね。
モナコはパワーの影響が少ないから、もう少しいい結果を期待していた。
特定の順位を目標にしていたわけではないが、(予選)10位よりは上に行けると楽観視していた。7位か8位ぐらいかとね。
週末を通して速さがない。木曜にも苦しんでいた。マシンのフロントに自信を持つことができないんだ。
僕らにとってタイヤが大きな問題だ。今週末、タイヤをいい状態に持っていくことができずにいるんだ。それは予選パフォーマンスに大きく影響する。
複雑な心境だ。またQ3に進めたことは嬉しい。だけどマシンの感触に関しては不満を持っている。
マシンの感触に満足できず、コーナーを攻める自信が持てずにいるため、ずっと苦労している。すべてのセッションで苦しんできて、予選でもそれは変わらなかった。
その点ではがっかりしている。でもこれが現実だ。今はどうしようもない。
(レースでは)何かが起きて、それが助けになるかもしれない。何も動きがなければ、1コーナーで順位が決まって、そのままの位置でつながって走ることになる。
僕らには失うものはないから攻めていく。モナコのようなレースではいいチャンスが訪れるかもしれないんだ。