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TOKIO 長瀬智也、ギター愛を貫くミュージシャンの姿 『地獄図』でも体現した“ロック精神”とは

2016年05月29日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 TOKIOの長瀬智也が、ロックバンド『地獄図(ヘルズ)』として音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演することがわかった。


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 『地獄図』は、宮藤官九郎の最新監督作『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』に登場するロックバンド。バンドメンバーは、赤鬼・キラーK(長瀬)がギターボーカル、大助(神木隆之介)がギター、COZY(桐谷健太)がドラム、邪子(清野菜名)がベースという豪華さも見どころのひとつだ。6月25日の映画公開に向けたスペシャルなライブに期待が寄せられている。


 5月21日には、先駆けて『メトロポリタン・ロック・フェスティバル(METROCK)』に参戦し、大いに会場をわかせた。桐谷のエアードラムや、神木の「ぶっちゃけ、映画の宣伝で来ました」などのお笑い要素もあったが、ただの告知としての登場ではなく、ロックフェスに集う音楽好きを満足させるパフォーマンスだったようだ。それが実現できたのは、やはりギターボーカルの長瀬のミュージシャンとしての実力があってこそではないだろうか。


 TOKIOは、ロックバンドというジャニーズアイドルの中では稀有な存在だ。おさらいまでに、メンバーの担当楽器を紹介すると、長瀬:ボーカル&ギター、城島茂:ギター、山口達也:ベース、国分太一:キーボード、松岡昌宏:ドラムス。中島みゆきや安全地帯など、トップアーティストたちからの楽曲提供も多く、ジャニーズとしては初めて『JOIN ALIVE』、『サマーソニック』などの野外フェスにも参加。海外からも注目を集めるバンドへと成長し、アイドルという型を破った。


 また、担当楽器を交換したシャッフルバンド「アソビゴコロ」(国分:ボーカル&アコースティックギター、長瀬:リードギター、松岡:ベース、城島:キーボード、山口:ドラムス)でライブパフォーマンスをしたこともあるほど、まさに音楽に対するアソビゴコロがある。しかも、全員が作詞作曲を手がけられるというのだから、まさにアーティストだ。


 なかでも長瀬は、プライベートでもバンドを結成して演奏をしているという話が出るほどのロック好き。最近では『SUZUKI presents NAGASE The Standard』(TOKYO FM)というラジオ番組のパーソナリティーを担当しているが、リスナーからギターを始めたきっかけと練習方法を聞かれた際には、「こういう質問うれしい!」と、溢れんばかりのギター愛を語った。


 ギターを始めた理由については「ギターってかっこいいっしょ」と情熱たっぷりの回答。往年のギターヒーローたちにあこがれて、ギターを手にとったのだという。「練習方法はとにかく弾きまくること」と続ける長瀬。練習を始めた頃は、「寝ながらベッドの上でポロポロ弾いて、そのまま寝て、起きたらまだお腹の上にギターが乗ってる状態」も多かったとか。


 さらに、ラジオなどで耳にしたギターフレーズを真似してみること、ある程度弾けるようになったら「この人と同じ音を出したい」と楽器屋に行ってアンプやピック、エフェクターなどを真似する。「そうすると、この同じ音で何がしたいのかってなるんだよね」と、自分にしかできないことを模索していったのだとか。


 「いい意味でも悪い意味でもバカっぽい。でも、ロックってそういうもの」と笑う長瀬。おそらく、ギターを初めて手にした頃の情熱のまま、今も音楽の面白さに夢中なのだろう。


 さらに、ピック弾きと指弾きでは音が違うのだというのを、実際に弾きながら解説をしたことも。「指だと丸い音が奏でられるわけですよ。ピックだと、シャリッとするでしょ? 全然違うでしょ? 指の方がぬくもりがあるんですよ」と熱弁。それは、まるで友だちの家で「このギターの弾き方かっけーだろ!」と言わんばかりのナチュラルな雰囲気だった。自分がかっこいいと思うものを寝食忘れて習得し、自分ならではのものに磨き上げる。その姿勢こそが、長瀬のロックなのだ。


 さらにギター論は続き、スライドやチョーキングといったテクニックについても語り始める。どうやら、映画の中でもギターについて語るシーンがあるらしい。赤鬼という見た目こそ異形の者だが、実はロッカーである長瀬自身を投影しやすい役柄なのかもしれない。『ミュージックステーション』への出演、そして6月25日の映画公開が楽しみだ。(佐藤結衣)