シーズンを通じて最も価値あるF1モナコGPのポールポジションは、レッドブルのダニエル・リカルドが手中に収めた。前戦スペインGPではレースをリードしながら、結果的には戦略ミスにより勝利を逃し、チームメイトのマックス・フェルスタッペンが優勝。4位でチェッカーを受けたあと、無線で「きみの番が来るよ」と言われたリカルドは、モナコの予選後に「よし、自分の番だ!」と喜びの声をあげた。リカルドにとって自身初、レッドブルは2013年最終戦ブラジルGPでのセバスチャン・ベッテル以来のポールポジションとなる。
また、これによってメルセデスの連続PP記録は「11」でストップ。「十分な速さがなかった」と語るニコ・ロズベルグは予選2位に終わり、ルイス・ハミルトンは、またしてもトラブルに足を引っ張られて3位がやっとだった。ハミルトンはQ3最初のアタックに出ようとしたところで「エンジンがおかしい」と訴え、ピットレーン出口でストップ。いったんガレージへと戻され、最後は残り時間ぎりぎりでアタックをかけたものの、燃圧に問題を抱えたままで、100パーセントの状態ではなかったようだ。
リカルドは決勝のスタートタイヤを意識して、予選Q2でウルトラソフトでタイムを記録したあと、スーパーソフトに交換して自己ベストタイムを更新。リカルド以外でQ3へ進出したドライバーは全員ウルトラソフトでスタートすることになり、この戦略の違いが、どう効いてくるか。
ロズベルグもQ2でタイムを出したタイヤのサイドをウォールに擦ってしまったため、もう一度、新品のウルトラソフトでアタック。モナコはスタートが重要で、今季は初登場のウルトラソフトで何周走れるかという新しい要素もあるため、予選Q2では多くのドライバーが決勝のスタートを見据えた動きを見せた。
予選Q1では二度の赤旗中断が発生している。最初の原因は、白煙を上げてストップしたザウバーのフェリペ・ナッセ。二度目の原因はスペインGPで初勝利を挙げたマックス・フェルスタッペンで、プールサイド・シケインで挙動を乱してクラッシュを喫した。「ターンインが早すぎた」と語るフェルスタッペンに、怪我がなかったのは幸いだったが、これで21番手から我慢のレースを戦うことに。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、Q3で自身がQ2で記録したタイムを更新できず、4位。「セットアップを変更して悪くなった」と不満を吐露した。僚友キミ・ライコネンは予選を6位で終えたが、フリー走行3回目でギヤボックスにトラブルが発生、交換したため5グリッド降格のペナルティを受けることが決まっている。
マクラーレンのフェルナンド・アロンソは、母国スペインから連続で予選Q3へと進み、ライコネンの降格により、グリッド9番手からスタートする。