全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦岡山で、シリーズ参戦後初のQ1敗退となった小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)が、予選日の状況を振り返った。
可夢偉は、午前中のフリー走行残り25分を切ったところで、高速コーナーである2コーナーでコントロールを失ってしまう。ランオフエリアが少ない場所であることも重なり、可夢偉はハイスピードでスポンジバリアに衝突。マシンがバリアに埋まるほどのクラッシュを演じてしまう。
そして迎えた予選では、アタックを繰り返すもタイムが伸びずに18番手。参戦2年目で自身初のQ1敗退となってしまった。
フリー走行でのクラッシュについて、可夢偉は「突然、リヤ(のグリップ)がなくなった」と状況を振り返る。映像では激しいクラッシュに見えたものの、マシンはほとんど無傷と呼べる状態だったという。
「見た目は派手(なクラッシュ)でしたけど、マシンにダメージはほとんどありませんでした。フロントウイングもステーが折れただけでメインプレートは無事でしたからね」
「セッションに復帰することもできましたけど、ポツリと雨が降ってきたので走りませんでした」
また予選では、アタックラップ中に中山雄一(KCMG)がマシンを止めたことによる黄旗に引っかかったうえ、最後のアタックに入ろうかというタイミングでセッションが終了してしまう不運があったと可夢偉。しかし、もっとも苦しめられたのはタイヤのグリップ不足だったことを明かした。
「今日はひとりだけ雪の上を走っているような印象でした。今回は人生で一番、史上最強に遅かったですね」
「朝(のフリー走行)は、そこまで悪い感触はなかったですが、最後までタイヤは温まりませんでしたね。ライバルには2周程度でアタックできているドライバーもいましたけれど、こっちは10周くらいでようやく温まってくるような感覚でした」
「個人的にはイケているつもりなんですけど、結果が出ていません。要するに“ハマっている”状況なので、なんとか脱出しないといけませんね」
上位のドライバーにグリッド降格のペナルティが出ているため、決勝では16番手グリッドからスタートするとみられる可夢偉。ドライコンディションでは戦いようがないと言うものの、可夢偉は「明日は雨が降ります! 雨になったら自信がありますよ」と決勝への意気込みを語った。
気象庁によれば、明日の岡山は12時~18時にかけての降水確率は80パーセント。可夢偉の“予報”が的中すれば、決勝では後方から追い上げる姿を目にすることができるかもしれない。