ルイス・ハミルトンは、モナコGPをより面白いものにするために、ピットストップ回数を現在よりも多くすることを求めている。
この週末、ピレリの新しいウルトラソフトタイヤが初めて使われたが、その耐久性から考えると、日曜のレースではどのドライバーも1ストップで走りきれるものと予想されている。木曜日のプラクティスを終えて、ハミルトンはこのウルトラソフトを、「マーキングが紫になっただけで、スーパーソフトとほとんど同じ」と痛烈に批判した。
モナコ公国の狭い市街地コースで行われるこのレースが、得てして退屈なものになりがちという懸念について、ハミルトンはこう語っている。
「残念なことに、今年もこれまでとまったく同じようなレースになる可能性が高い。このレースを面白くしてくれるような、本当に意味のある変更はなにもないからだ。過去3~4年間はずっと1ストップで、ひどく退屈なレースだった。誰もが知っているように、ここではポールポジションを獲ったドライバーが圧倒的に有利で、1ストップのレースは順位変動のない『行進』になってしまう」
「先日、ある友人にメールをしたところ、彼はこう言うんだ。『モナコへは行かない。ずっと一列縦隊の列車みたいだから』。僕は『確かに。僕もその列の中だ。できれば前のほうがいいけどね』と答えたよ」
「そして、ある晩、ふと思いついた。なぜもっとピットストップを増やさないんだ、ってね。僕に言わせれば、あのウルトラソフトは全然ソフトじゃない。必要なのは、あれの4倍くらいソフトな『ウルトラ・ウルトラ・ウルトラ・ウルトラソフト』だ。そうすれば、もっとピットストップの回数が増えて、順位の変動も起きるだろう」
「僕がF1に来たばかりの頃は、いまよりストップ回数が多くてエキサイティングだったのにね。今年は去年と比べて1周2秒ほど速くなりそうだけど、オーバーテイクのチャンスはいままでと何も変わらないと思う」
■今年はレッドブルが脅威に
彼のチームメイトであるニコ・ロズベルグは、このコースでの4連勝を狙っている。だが、木曜のプラクティスが終わった段階では、モナコにおけるメルセデスの過去3年間の覇権を、今年はレッドブルが脅かしているようにも見える。実際、木曜日のハミルトンは、首位ダニエル・リカルドから0.6秒差の2番手に甘んじた。
「面白いレースを期待している人たちは、ここでは事実上オーバーテイクができないことを知るべきだね。だから、レースの結果は予選で決まってしまうも同然だ」と、ハミルトンは言う。
「日曜日には、列車のような一列縦隊の行進を眺めることになるだろう。まあ、去年のように思わぬことが起きる可能性もあるけど……。でも、概して言えば、僕らのバトルは見られない。見られるのは、ただ一列につながって走るシーンだけだ」
「期待できるのは、誰が1位、2位、3位を走るにせよ、すごく僅差になるはずだから、その一度きりのピットストップで何かが起きることだね」