ウイリアムズのフェリペ・マッサは、F1モナコGPで「マクラーレンがフェラーリに勝るペースで走れる」という考えは、楽観的すぎると見ている。
エンジンのパワー不足が大きな影響を及ぼさないモナコは、今季マクラーレンが目立った成績をあげる最大のチャンスだと考えられている。チームのレーシング・ディレクターであるエリック・ブーリエは、タイトル獲得を狙うフェラーリをも出し抜くことができると考えている。しかし、マッサは「マクラーレンは浮かれている」と言う。
「いい走りができるかもしれないが、いまはトップチームを打ち負かすことは不可能だ。エンジンの問題ではなく、マシンの問題だ。メルセデスやレッドブル、フェラーリのようなマシンを持っているとは思えない。このコースで、いい走りをするマシンではあるかもしれないが、トップチームに勝てるようなレベルではないよ」
ブーリエは、マクラーレンのシャシーは現在のF1でメルセデス、レッドブルに次いで3番目に良いものだと認めている。その評価によれば“マクラーレン以下”ということになる、トロロッソのカルロス・サインツJr.は、マクラーレンはモナコで能力を証明する必要があると語る。
「多くの人々が、今後マクラーレンがどれだけ強くなっていくかについて話をしている。マクラーレンは常に進化を続けていて、モナコの低速パートは彼らにとってすごく有利になるかもしれない。ここでは1年で最も激しく中団グループの戦いが繰り広げられることになる。フォース・インディアのメカニカル・グリップは常に良く、僕らには多くのダウンフォースがあって、きっと助けになる。マクラーレンは2速で回るコーナーが良いんじゃないかな」
サインツJr.による戦力分析は続く。
「今年のウイリアムズは、ウルトラソフトタイヤの導入によって昨年までの問題が解決され、不利な部分が少なくなった。それでも最も良いシャシーを持っているのはメルセデス、レッドブル、フェラーリの3チームだ。マクラーレンは(シャシーの良さを)証明しなければならない。もしモナコで強さを発揮できれば、彼らのシャシーは僕ら(トロロッソ)のものより良いということになる。まだ何も見ていないのだから、それは『今後わかること』だ」
木曜日に行われたフリー走行では、ジェンソン・バトン10位、フェルナンド・アロンソ12位と、マクラーレンの結果は思わしいものではなかった。
「僕らふたりとも、フロントエンドに大きな問題を抱えている。午後はだいぶ良くなっていて、望むところに近づけた」とバトン。
一方のアロンソは、予選までには改善できるだろうと楽観的な姿勢を保っており、以下のようにコメントしている。
「サーキットレイアウトから見て、とても良いチャンスになるだろうと思っている。フリー走行では、もう少し競争力を発揮できることを期待していた。でも僕らは冷静でいなくてはならないし、まだ木曜日だ。土曜日までにマシンに潜む多くのポテンシャルを引き出す必要がある。(フリー走行では)アンダーステアが大きく、バランスが良くなかったので、まだラップタイム向上の余地は多い。本来のタイムは土曜日に出るはずだ」