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ニュル24時間予選:ブラックファルコンのメルセデスAMG GT 9号車がPP

2016年05月28日 08:21  AUTOSPORT web

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メルセデスAMG GT 9号車(チーム・ブラックファルコン)
ドイツで開催中の「第44回ニュルブルクリンク24時間」は5月27日(金)、予選2回目とトップ30予選が行われ、チーム・ブラックファルコンのメルセデスAMG GT 9号車が8分14秒515というタイムでポールポジションを獲得。シューベルト・モータースポーツのBMW M6 18号車が約1.6秒差で2位、ハリボ・レーシングのメルセデスAMG GT 88号車が約2.2秒差の3位となった。

 午前9時半から始まった2時間の予選2回目は、上位を狙うドライバーにとってトップ30予選に進む権利を手にする、最後のチャンス。30台のうち17台分の枠は、すでに事前に行われたVLNシリーズや、予選レースでの結果により決まっている。そのため、残る13枠をめぐって激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた。また、トップ30入りがのぞめないクラスを戦うチームも、ライバルよりひとつでも上のポジションからスタートすべく、最後の予選アタックにのぞんだ。

 ドライコンディションで行われた予選2回目では、好調を保つAMG GTが、ハリボ・レーシングの88号車を筆頭にトップ3を独占。そして、残る13枠はすべてGT3マシンによって埋められた。

 トップ30予選は、日が傾き始めた午後7時50分にスタート。走行時間はわずか40分間と短く、しかも直前のクラシックカーレースの最中に降った豪雨により、コースは多くの部分が湿っていた。非常にトリッキーなコンディションで、ポルシェの事実上のワークスチームであるマンタイのポルシェ911 GT3 R 911号車をはじめとする、多くのマシンがコースアウトやクラッシュで脱落。そして、予選2回目でトップ30予選に進む権利をたぐり寄せた、AMG GT 9号車がマーロ・エンゲルのこん身のアタックでポールポジションを手にした。

 日本車勢のトップ30予選出走は、事前に行われた予選レースでの結果により既に権利を得ていた、ニッサンGTアカデミー・チームRJNのGT-R ニスモGT3 35号車1台のみ。星野一樹、ミハエル・クルム、ルーカス・オルドネス、アレックス・バンコムという4名がドライバーとして名を連ねるチームだが、トップ30予選のアタックはバンコムが担当。バンコムは大きなミスなく2周のアタックを行ったが、順位はタイム計測を行った27台のうち24位。トップのAMG GT 9号車からは約17秒遅れと、期待を下まわる残念な結果に終わった。

 GT-R ニスモGT3は今年アップデートが行われず、またニュル独自のBoP(性能調整)により、リストリクターによるエンジンの吸気制限が去年よりもさらに厳しくなった。そのため、美点のひとつだったトップスピードが伸びなくなり、今年は去年以上に苦しい戦いを強いられている。上位を狙うためには、ミスなく淡々と自分たちのペースで走り続け、ライバルの脱落を待つしかないだろう。

 その他の日本車勢は、レクサスRC F 36号車が総合38位(SP-PROクラス1位)、スバルWRX STI 106号車は総合56位(SP 3Tクラス2位)、レクサスRC 188号車は総合81位(SP3Tクラス4位)、トヨタC-HRレーシング 326号車は総合148位(SP2Tクラス5位)となっている。

 ニュルブルクリンク24時間の決勝レースは、いよいよ28日(土)午後3時半(現地時間/日本時間22時半)にスタート。天気予報によれば降雨はまず確実な状況。今年も荒れた展開の、スプリント耐久レースとなりそうだ。