F1ドライバーは、シーズン中に一度だけヘルメットのカラーリングを変更できることになった。ただし、そうしたスペシャルカラーのヘルメットを使えるのは、1戦限りという条件つきだ。
2015年シーズン開幕を前に、FIAはドライバーたちが頻繁にヘルメットの色とデザインを変えることを禁止する新規定を導入した。それまではセバスチャン・ベッテルのようにレースごとにデザインを変更するドライバーもいたため、ファンがドライバーを識別しやすくすることを目的として、シーズンを通じて基本的に同じカラーリングのヘルメットを使うこと、という規則が設けられたのだ。
今年のスポーティングレギュレーションの第9.1項は「走行中のドライバーの識別を容易にするため、各ドライバーのヘルメットは選手権シーズンすべてのイベントにおいて、基本的に同じカラーリングとしなければならない」と定めている。
「基本的に」という文言が入っているのは、たとえば新しいスポンサーのロゴを入れる必要が生じた場合などに、細部の変更を可能にするためだ。しかし、この文言の「解釈」によって規則が多少緩和され、シーズン中の1戦に限り、ドライバーは通常とは異なるデザインのヘルメットを使えることになった。ただし、そうしたスペシャルデザインを使用した次のレースでは、シーズン開幕時のデザインに戻さなければならない。
今週末のモナコGPでウイリアムズのドライバー、フェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスは、いずれも「通常とは異なる」デザインのヘルメットを使用する。
「FIAが許可を出したんだ」と、マッサは言う。「年に一度だけ、デザインの違うヘルメットを使うことが許可された。僕らは、ずっと前から許可を求めていたんだよ。以前のセバスチャンのようにレースごとにデザインを変えるのは、確かにちょっとやりすぎだったかもしれない。でも何か特別なことをしたいと思うのも、年に一度くらいならいいと思うし、FIAも受け入れてくれた」。
自身がモナコGPで使うヘルメットのデザインについて、マッサは次のように語っている。
「とても有名なブラジル人アーティストのデザインなんだ(双子のストリート・アーティスト「オス・ジェメオス」)。壁や道路に絵を描くグラフィティ・アーティストとして世界的に名を知られている彼らが、僕のヘルメットをペイントしてくれた」
「もちろんモナコのレースには息子や妻も来る。このヘルメットは特別なアート作品として、ずっと手元に置いておくつもりだよ」
ボッタスのスペシャルヘルメットは、頭頂部にモナコの象徴とも言える「カジノ」のモチーフを入れたデザインとなっている。