前戦F1スペインGPで空力パッケージを一新したマクラーレン。ただしフロントウイングは、ひとつしか間に合わず、ジェンソン・バトンだけが使用していた。
だが、新フロントウイングを使用したバトンは、なかなかセットアップがまとまらず、予選では従来型フロントウイングを使うフェルナンド・アロンソに遅れをとった。
2週間後のモナコGPでは、さらにフロントウイングが変更されていた。アッパーフラップ内側の切り込みが、2枚あるフラップのうち、モナコGPでは下側の1枚のみ(写真:赤の矢印)となっている。
スペインGPに投入したものと並行して開発されていたアイデアだったのか、あるいはスペインGPのパフォーマンスを見て、大急ぎで開発・製造されたものなのかは現時点では不明だ。いずれにしても、このエリアの空力において、いまだマクラーレンは開発の方向性に迷いがあることは間違いない。フロントウイングのエアロダイナミクスは、車体全体のコンセプトに関わる重要な部分である。つまり、マクラーレンの空力がトップチームに追いつくには、もうしばらく時間がかかると見ていいだろう。