世界ツーリングカー選手権(WTCC)へ参戦するボルボは、制作を進めるテストカーが完成すれば、レースパフォーマンスを向上させることができると語った。
今シーズンからWTCCへ復帰しているボルボは、序盤こそメカニカルトラブルなどに苦しめられたものの、第3ラウンドのハンガロリンクでは、チームのテッド・ビョークとフレデリック・エクボルムがトップ5フィニッシュする活躍をみせている。
しかし、チームは現在、スペアパーツ不足に悩まされているほか、バックアップを兼ねたテスト車両が存在しないことで、開発スケジュールにも支障が出ているという。
ポールスターのモータースポーツ担当責任者、アレクサンダー・ムルドゼフスキーは、来月ポルトガルで行われるWTCC第7ラウンドまでにはテストカーが完成するはずだとし、これにより選手権争いで強さを取り戻せるはずだとしている。
「近日中にはテストカーが完成するはずだ」とムルドゼフスキー。
「テストによって、改善を望んでいる箇所に集中して取り組むことができる。レースを戦えば戦うほど、改善点が浮き彫りとなってくる。これは自然な流れだよ」
「まだ、我々のマシンはほぼ新品状態と言っていい。パフォーマンスの向上が見られなければ、我々は間違った道へ進んでいるということだ」
ムルドゼフスキーによれば、テストカーのシェイクダウンはビョークとエクボルムのふたりが行う予定だが、S60 WTCCの開発に携わったロバート・ダールグレンもテストチームに合流する予定だという。
シリーズを戦うエクボルムは、シーズン開幕前に十分なテストを行えなかったことがチームの成長を妨げていると語り、テストカーへ期待を寄せている。
エクボルムは「シトロエンのように、この1年をマシンの熟成に費やすという選択肢もあった」と語る。
「しかし、チームはチャンピオンシップ争いに加わることで、より多くの経験を積むことができると考えたんだ。2017年にタイトル争いができるようにね」
「去年はマシン開発に時間を費やし、その時のテストではデザイン周りや基礎的な部分に注力していた。そのあと、チームは開幕戦に間に合うように急ピッチで2台のS60 WTCCを作り上げた」
「しっかりとテストできたのはバレルンガでの2日間だけだった。だから、幅広いセッティングを試すことができておらず、現状はレースウイーク中にさまざまなセットアップを試している」
「テストカーの準備が整えば、マシンのパフォーマンスは大幅に向上するだろう。アイデアは山ほどあるけれど、今はすべて試すだけの時間がないんだよ」