リオ・ハリアントが今後もマノーF1チームに残れるかどうかが、不確かな状況になってきた。彼のマネージメントは、インドネシア政府との交渉により、解決策が見つかるのは「9割方確実」だと言うのだが。
ハリヤントのマネージャーを務めるピアース・フニセットは、彼のシートが夏休み前のハンガリーGPまでは確保されていると述べるいっぽうで、約束した資金の支払いに関して、厄介な事態が生じていることを認めた。
「今年初めの時点で、スポーツ大臣は私たちにある金額の支援を約束していた」と、フニセットは言う。
「それがわずかに遅れているというか、スムーズに送られてきていない。政府はF1の効果をよく理解している。彼らはリオが今年の終わりまでグランプリを走るのを見たいと思っているし、来年もF1に残ることを望んでいる。それが私たちの国に大きな利益をもたらすからだ」
■ハリアントは目の前の仕事に集中
また、シーズンの終わりまでドライブできると思うかとの質問に対し、ハリアント本人はこう答えた。
「正直に言って、僕にはわからない。もちろん、ここでフルシーズンをすごしたいと思っているよ。僕はシーズンの半分しか乗れないという噂もあるけどね。とりあえずは、フルシーズンのドライブを確保できるように、マネージャーが全力を尽くしてくれている。僕の目標は、ひとつひとつのレースで自分の仕事に専念して、最善の結果を得ることだ。それから先のことは、時期が来れば明らかになるだろう」
彼は、そうした先行きの不安が、ドライビングに悪影響を及ぼさないように努めているという。
「それはひとまず脇に置いて、クルマをできる限り速く走らせ、チームと協力していくという僕の仕事において、ベストを尽くすことが重要だ。それ以外のことは一切考えないつもりだよ」
フニセットによれば、インドネシア国内でのハリアントに対する関心はきわめて高く、今後の資金調達には自信を持っているという。
「インドネシアでは、とても大きなニュースとして取り上げられている。政府、大臣、メディアのすべてがF1に夢中と言ってもいいし、一般のファンも急激に増えた。そして、言うまでもなく、国営石油会社のペルタミナは、これまでリオに莫大な投資をしてきた」
「私は昨日までインドネシアにいた。大臣たちと政府は、予算を最後まで約束どおりに支払うために、様々な努力を続けている。政府としては別のスポンサー、おそらくは民間のスポンサーが相乗りしてくることを期待していたのだと思う」
「どこの国の政府でも同じだが、たとえばイギリスのキャメロン首相が、政府としてF1に7000万ポンドを拠出し、教育や保健には予算を充てないと言ったなら、ちょっとした騒ぎになるだろう。それと似た意味で、インドネシアは少々デリケートな状況にある。だが、世界的なレベルのスポーツマンを送り出すのは、国としてとても有益なことだ。私には、必ずスポンサーを見つけられるという確かな自信がある」