レッドブル・レーシングのダニエル・リカルドは、勝利を逃したスペインGPの後、チームから戦略についての説明を受け、納得したと語った。
スペインGPでメルセデスの2台が同士討ちした後、リカルドはトップを走っていたが、レッドブルはリカルドに3回ストップを指示、結局は2回ストップで走り切ったマックス・フェルスタッペンが勝利をつかんだ。
リカルドは遅い段階で3回目のピットストップを行ったことで、同じ3回ストップのセバスチャン・ベッテルにすら前に行かれ、4位に終わった。
ピレリはレース前に、理論的には3回ストップの方が速いが、バルセロナがオーバーテイクがかなり難しいサーキットであることを考えると2回ストップの方が有効だろうという見解を述べていた。
実際、フェルスタッペンと2位キミ・ライコネンは2回ストップ、3位セバスチャン・ベッテルと4位リカルドは3回ストップで走っている。
打ちのめされたリカルドは、レース直後、チームの戦略には納得できないと述べていた。
■チームに“計略”はない。作戦が失敗しただけ
しかしモナコGP直前の水曜、リカルドはこの話題について再度聞かれ、チームからじっくり説明を聞き、その意図を理解したと語った。
「もちろんがっかりしていた。優勝が見えていたのに表彰台にすら登れなかったのだから」とリカルド。
「チームとじっくり話し、詳しく説明を聞いた。なぜ(3回目の)ピットストップをしたのかという理由をだ」
「あの段階では3回ストップが最善の策だったようだ。彼らは、あの時点で、セブが優勝争いにおいて最大のライバルだと考えていたため、僕に彼をカバーさせようとした」
「それが僕の不利に働いた。でも隠された計略などはなかった」
不利といわれていた3回ストップをレースをリードしていたリカルドに課したのはチームにフェルスタッペンを優先する意志があったからなのではないかという見方をする人々もいるが、リカルドはチームへの不信感は一切ないと言う。
「確かにバルセロナの結果にものすごく不満だったけれど、そういう(チームへの)疑いは一切持たなかった」
「心の中で、正しい意図に基づく行動だということは分かっていた。それがうまくいかなかっただけなんだ」
■「自分の能力を強く信じている」
加入したばかりの、経験が浅いフェルスタッペンに敗れたことをとやかく言うファンもいるが、と聞かれたリカルドは「ファンやメディアの言うことに、僕は影響されるつもりはない」と答えた。
「マックスは、もし戦略がうまくいかなかったとしても、いいレースをしただろう。たとえ全員が3回ストップを選んだとしても、彼は表彰台に乗っていたはずだ。レッドブルに移籍して初めてのレースでね」
「彼はあっという間にチームに適応し、週末を通していい仕事をした。マックスにけちをつけるつもりは一切ない」
「でも僕は自分の能力を強く信じている」