2016年モナコGPからF1ドライバーたちはヘルメットの捨てバイザーをコース上に投げ捨てることが禁止される。マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンとフェルナンド・アロンソはおかしな規則であるとの感想を示した。
これまで、走行中にコース上に放られた捨てバイザーがマシンに引っ掛かって問題を引き起こすというケースが何度か見られてきた。昨年のスペインGPではアロンソが、捨てバイザーにブレーキダクトをふさがれたことでブレーキがオーバーヒート、その結果リタイアしている。
当初この規則は開幕戦から適用される予定だったが、チームに対策を講じる時間を与えるために延期され、今週末のモナコから実施されることになった。
違反した場合のペナルティについてはまだ決定していないものの、モナコGPの週末からは、チームははがした捨てバイザーを収める場所をコクピット内に設置するなどの対策を迫られる。
バトンは、この規則が導入された理由は理解できるが、ばかげていると思うとも述べている。
■「ばかげている」とバトンはとまどい
「20年間も捨てバイザーを投げ捨ててきたのに突然それができなくなるんだ。対処するのは簡単じゃない」とバトン。
「捨てバイザーをはがす時、手は空気の流れの中にある。風で飛ばされそうになるのをなんとかコクピットまで持ってきて、どこかに収めなければならない」
「(禁止される)最初のレースのモナコでは、皆、苦労するはずだ」
この規則について感想を求められたバトンは「ふたつの見方ができる」と答えた。
「ばかげているという見方ができる。だけど一方では、フェルナンドにこの2、3年で捨てバイザーがブレーキダクトに引っ掛かるという問題が2回も起きている」
「そういうことが起こればトラブルにつながる。ブレーキの温度が異常に上がり、チームがチェックしているので安全面で問題はなくても、最終的にはリタイアしなければならない」
とまどいはあるが、1戦走ればすぐに慣れるとバトンは考えている。
「HANSデバイスのようなものだ。ドライバーたちは皆、あれを好ましく思っていなかったし、快適ではなかった。でも1戦使えば対処できるし、(不満は)忘れてしまう。今回もそうなるだろう」
アロンソは「おかしな規則」だとは思うが問題なく対処できると語った。
■捨てバイザーをはがす場所としまう場所
「この手の規則は初めてだけど、捨てバイザーをコクピットの中に置いておくことには、問題なく対処できる」とアロンソは述べている。
アロンソは冗談で「いろいろな方法があるから、明日見てみよう。いくつか試して(捨てバイザーをしまう)いい場所を見つけるよ。ちょっと言えない場所もある。“R18”に当たるからね」と言った後、実際は、低速で走行するピットレーンで行うのが一番楽だろうという考えを示した。
「まじめな話、ピットレーンでやらなきゃいけないだろうね」
「ピットストップをする時、10秒ぐらい60km/hで走るから、その時が一番のチャンスだろう」
F1iに対してアロンソは、ペナルティはまだ決定していないと明かした。
「まだ決まっていないんだ。どういうペナルティが科されるのか、FIAに問い合わせている。これから協議されることになるだろう」