ルノーのマネージングディレクター、シリル・アビテブールは、ドライバーの起用に関して、レッドブルがF1に重要な教訓を与えたと考えているようだ。
レッドブルのドライバー育成プログラムは高い評価を受け、多くの若い才能をF1に送り込んできた。だが、そのいっぽうで、彼らは基準に達しないと見なされた候補生は、情け容赦なくプログラムから外している。母国ロシアのレースでトラブルを起こしたダニール・クビアトをトロロッソへ戻し、次のスペインGPからマックス・フェルスタッペンをレッドブルへ昇格させた判断についても、一部からは批判の声が上がっていた。
しかし、レッドブルで初めて出走したレースで、フェルスタッペンはF1史上最年少ウィナーとなり、急成長中の才能を証明してみせた。
アビテブールは、まだ18歳のフェルスタッペンの偉業のみならず、レッドブルのドライバーに関するポリシーも評価して、次のように語った。
「本当にすごいことだ。昨年、トロロッソ時代に一緒に仕事をした経験から、彼にはいつも感心させられていたので、それほど驚きはしなかったけれどもね。だが、それ以上に感銘を受けたのは、レッドブルのドライバーについての全体的な戦略、そして中途半端なことはせず、最良の結果を得るためならどんなことも厭わず、他人に何を言われようと気にしないという姿勢だ」
「様々な批判はあったものの、レッドブルはF1に重要な教訓を与えているし、私たちもその教訓をルノーのために生かしたいと思う」
F1で最強のドライバーラインナップ
いっぽう、フェルスタッペンのボス、クリスチャン・ホーナーは、彼のレッドブルでの成績について「(初戦で優勝したので)これから先は悪くなるばかりだ」と冗談を言いつつ、マックスとダニエル・リカルドのコンビはF1で最強のドライバーラインナップであると確信している。
「これからもっと経験を積み、クルマにも慣れ、自信を育てていけば、彼はさらに力のあるドライバーになると思う」と、ホーナーはフェルスタッペンを評した。
「いまや私たちがF1で最強のドライビングペアを擁しているのは間違いない。そして、これから一層期待できるポジションにいる」
「今年、私たちは力強いスタートを切った。事前に想像していたよりもずっと良いスタートだった。私たちが力を発揮できるのは、シーズン前半ではなく後半戦になるだろうと予想していたが、中国で早くもポディウムに上がり、第5戦で優勝を飾った。シーズン開幕前には、夢にも思わなかったような状況だ」