大人になれば誰しも「結婚」を考える。だけど現実的なことを考えると、とても結婚生活を送れないという人も少なくないはずだ。
無理に結婚して無理に働きづめの日々を送れば、なんとか結婚生活は維持できるかもしれないけど、無理はいずれ破綻する。30代、40代になってしまえば収入面では不安は少なくなるかもしれないが、その頃出会いがある保証もない。
現代は結婚に対して、都合の悪い時代になっているんじゃないだろうか。(文:松本ミゾレ)
「一人の方が自由だから」「何もメリットを感じられない」
クリエイティブジャパンが5月19日、1,000人を対象に行った「結婚に関するアンケート」の調査結果を発表した。今回はこれを紹介していきたい。
アンケートは20代以下から60代以上の各世代200人ずつが参加。結婚についてのアンケートということで、結婚相手との出会いについての調査結果もあるのだけど、特筆すべきはアンケートに参加した未婚者396人の、結婚に対する意識である。
「将来、結婚したいですか?」という質問に対して、「結婚したい」は43.9%だったのに対し、「結婚したいと思わない」は56.1%という結果になっている。未婚男女の半数以上は、結婚について「別にいいかな」という気持ちを抱いていることがデータとして表れている形だ。
ではどうして、「結婚したいと思わない」と考えるに至ったのだろうか。アンケート結果には、興味深い理由が並んでいた。
・結婚しても何もメリットを感じられない(20代男性)
・一人のほうが、自由だから(40代女性)
・扶養家族を増やすなどの経済的負担を増やしたくないから(60代以上男性)
・コスパが悪い(40代男性)
結婚に対して消極的な人々の、その本音が窺えるコメントが多い。確かに、結婚にはメリットよりもデメリットの数の方が上回っているようには感じるところがある。
40代未婚女性「一人が楽しいと思わないとやっていけない」
現在僕は31歳。恋愛はしたくても結婚となると、お金がなくなるばかりで得る物については頭に浮かばない。
結婚をコストパフォーマンスで考えてはナンセンスという意見もあるだろうが、現実は夢物語のように幸せな日々が続くものでもないので、経済的に不安がある状況では結婚なんかしたら地獄を見る可能性も高い。
それに、結婚をすると生活を維持するために支出を極力抑える必要が出るため、友人、知人と会う頻度も落ちてしまう。夫のお小遣いも、毎月3万円もあれば御の字という家庭もあるだろう。たったそれだけしか自由に使えるお金がないというのは、我慢ならないという未婚男性もいるだろう。
今回、この記事を書くに当たって、友人数人に結婚についての考えを聞いてみた。未婚、既婚に関わらず、同世代の男性のほとんどは、「自由がないし制約が多い」と、結婚については消極的な意見を口にしていたのが印象的だ。
知人の40代未婚女性などは「結婚したいとは思っていたけど、今はもう願望もなくなって、一人が楽しくなったというか、そう思わないとやっていけなくなった」と語っている。
また、高校時代からの同性の友人などは「日々ルックスは劣化するのに、嫁さんもらったってしょうがないじゃないか」と口にしていた。ちょっと感性がズレてるように思えたけど、まあコスパが悪いって言葉には、こういう意味も含まれているのかも知れない。
今の時代、経済的に困窮した状態に一度でも陥ってしまうと、這い上がるのは並大抵のことではない。生きるための不安材料をオミットするという考え方は大切だ。悲しいことだけど、今はその不安材料の中に「結婚」というものが数えられるようになってしまったということだろうか。
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