ツーリングカーレースの新たなピラミッド創設を目指し、2015年にスタートしたTCRインターナショナルシリーズは、2016年の序盤4ラウンドを終えた。現在のところセアト・レオンTCRを駆るペペ・オリオラが選手権をリードしている。
新たなツーリングカーレースとして、FIA-GT3レギュレーションを参考にしながら2015年にスタートしたTCRシリーズ。非常に安価なコストで、かつ迫力あるツーリングカーらしいレースが展開されることから、アジアをはじめ各国選手権も誕生。ニュルブルクリンク24時間レースでも参戦可能カテゴリーが設けられるなど、広がりをみせている。
そんなTCRシリーズの頂点とも言えるインターナショナルシリーズは、F1バーレーンGPのサポートレースとして開幕。第1ラウンドはレース1、2ともレオンを駆るオリオラが制していた。続くエストリルでの第2ラウンドでは、ホンダ・シビックTCRを駆る元F1ドライバーのジャンニ・モルビデリがレース1で優勝。レース2では元WTCCドライバーのジェームス・ナッシュが優勝を飾った。
■セアトが多数派もゴルフ、シビック迫る。3車種は接近
開幕ラウンドでの連勝以来、オリオラはなかなか思うようにポイントを加算することができず、第3ラウンドのスパ-フランコルシャンでは、レース1でシビックのアクー・ペリネンが、レース2ではフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを駆る元スーパーGTドライバーのジャン-カール・ベルネイが優勝。毎戦のようにウイナーが変わっていった。
さらに、第4戦のイモラではレース1で2015年チャンピオンのステファノ・コミーニ駆るゴルフが優勝。レース2ではシビックを駆るミハイル・グラチェフが優勝し、ランキングは混戦模様に。オリオラはスパ、イモラで表彰台を得てリードを保っているものの、コンスタントにポイントを重ねているコミーニが迫っている。また、ランキング3位にはベテランのモルビデリがつけ、4位にはナッシュがつけている。
『モデル・カー・オブ・ザ・イヤー』と名付けられたマニュファクチャラーランキングでは、セアト・レオンがリード。ゴルフGTI、ホンダ・シビックと続いている。また、スパ戦にはセバスチャン・ローブ・レーシングから新たにプジョー308レーシングカップが2台参戦。車種バラエティも着実に増えており、今後も目が離せないシリーズとなりそうだ。