ホンダF1プロジェクト総責任者、長谷川祐介氏は、現在使用しているバージョンのパワーユニットからはほぼすべてのポテンシャルを引き出すことができたため、あとはアップグレードを入れて向上を図っていくと語った。
F1パワーユニットマニュファクチャラーの中で唯一ホンダだけが、開幕以来トークンを使用したアップグレードを行っていない。
しかしパッケージの最適化を行うことですでに約0.3秒向上させることができたと、長谷川総責任者は考えている。
「私たちはまだアップグレードや新しいハードウェアは一切導入していません。それでもセッティング変更だけですでにコンマ数秒、約0.3秒をエンジンから引き出しました。とても心強いです」と長谷川総責任者が述べたとF1iが伝えた。
「パワーユニットだけ、特にセッティングだけでタイムが向上するというのは自然なことではありません。逆に、(開幕戦)メルボルンでエンジンセッティングを最適な状態にしていなかったということです」
今の仕様からは最大限のポテンシャルを引き出しており、さらにパフォーマンスを向上するには、アップグレードをする必要があると、長谷川総責任者は語った。
「今、使っている仕様のエンジンからは最大限のパワーを絞り出していると思います。メルボルンから同じ仕様を使い、そこから徐々にパワーを絞り出してきました。今はほぼ最大限のパワーを達成しつつあると考えています」と長谷川総責任者。
「パワーをさらに向上させるためには、アップグレードが必要です。新パーツを入れたり、燃焼関係を改善しなければなりません。コントロールセッティングの面ではすでに最高限度に達しつつあるのです」
ホンダはトークンを使ったアップグレードをいつ入れるのかをいまだに明らかにしていない。長谷川総責任者は、細かくアップグレードを行っていくよりは、トークンを効率的に使い、一度に大きな改善を図りたい考えであることを以前から明かしている。
長谷川総責任者は、BBC Sportに対し次のように発言した。
「トークンを効率的に使いたいと思っています。燃焼関係をモディファイするには2トークン必要です。さらにモディファイするには再度2トークンが必要になります。ですが、この2回のモディファイを同時に行うのであれば、2トークンだけで済むのです。そのため私はできるだけ待ってから入れたいと思っています」