ルノーのエンジンテクニカルディレクターのレミ・タファンは、モナコでデビューする新仕様のパワーユニットが「1周約0.5秒」の向上をもたらせることを期待していると語った。
ルノーは大規模なアップグレードを施したパワーユニットをスペインGP後のバルセロナテストで導入した。テストを行ったルノーとレッドブルのドライバーたちは向上を感じると非常にポジティブな感想を述べており、当初カナダGPに予定されていたデビューがモナコに繰り上がった。ルノーは2チームに各1基ずつ新仕様のパワーユニットを用意する予定だ。
「現在使用しているパワーユニットには、(開幕戦)オーストラリアから今までの間に何度か小規模なアップグレードを行ってきた。スペインではそのベースにすべてのドライバーが非常に満足していた」とタファン。
「それと同時に、我々はシーズンスタートから新スペックの開発に取り組んできた。だがすべてのパーツに関して実際にコース上で使う前に信頼性と耐久性の確認を行う必要があった。テストは非常にうまくいき、パワーもドライバビリティも向上したことが分かった」
「当初はカナダで新しいバージョンを使用する計画だった。しかしモナコまでにユニットをまとめられ、完全な確認ができれば、使えるものをモナコで使う」
■よりパワフル、かつ効率的なエンジンで0.5秒のゲイン
タファンは、今回のアップグレードに「ごくわずかなトークン」を使用したと述べており、これが1周あたり約0.5秒のゲインにつながると考えている。
「開幕戦オーストラリアから使用してきたパワーユニットは、2015年終盤に導入した“スペックD”のパワーユニットを元に開発を続けてきたものだ」
「この初期バージョンのいくつかのコンセプトを調査し、2016年のユニットにいくつか引き継がせた。たとえばターボだ」
「今回の新しい仕様はその方向性で押し進め、燃焼システムに大きなモディファイを加えた」
「これによってICEはよりパワフル、かつ効率的になり、それによって1周あたり約0.5秒のゲインにつながるだろう」
■「低速のモナコでも効果はある」
パワーの影響が少ないモナコでも新PUは効果を発揮すると、タファンは考えている。
「あそこは“エンジンサーキット”ではないが、正しくセットアップし、シャシーとエンジンをうまく調整すれば、ラップタイム全体において大きなアドバンテージを生み出す可能性がある」
今後の開発については2017年を見据えて、有効なアイテムを入れていく予定だとタファンは語った。
「今シーズンを通して今後も開発を続け、2017年の作業から有効なアイテムを特定し、それを取り入れることを狙ってトークンを使っていく」
「主に2017年の開発に集中し、次のパワーユニットをできる限り最適化することを目指している」