ザウバーF1のチーム代表であるモニシャ・カルテンボーンは、現在チームを苦しめている財政難は、近いうちに解決できると自信を見せた。
ザウバーにとっての2016年シーズンは、これまでのところ多難なものとなっている。新車C35の発表が遅れ、ここ3カ月はスタッフの給与が予定どおりに支払えず、さらにはアップデートする余裕もなくバルセロナテストを欠席することになった。水面下では何カ月にもわたって援助が見込める投資家やスポンサーとの話し合いが行われており、カルテンボーンは希望があると考えている。
「状況は進展しています。立ち止まるという選択肢はないので、前進しなければならない。すぐにも結果が出ることを望んでいます。あせりがあるのは当然ですが、もし財政的な問題がないにもかかわらず現在のポジションにいたら、おそらくもっとあせっていたことでしょう。つまり……どう言ったらいいかわかりませんが、快適な状況ではなかっただろうということです」
「問題が解決できるとわかっているのに何もできないとなると、苛立ちもするし、忍耐も求められる。だから、いまは辛抱して、引き続き仕事に集中していくことが必要です」
今シーズン中のチーム救済に自信があるかと聞かれると、カルテンボーンは「あります」と回答。また、問題の解決に時間がかかっている理由をたずねられ、以下のように答えた。
「時間はかかっていません。これまでの契約を振り返ってみても、たとえばBMWがチームを買収した際に、どれほどの時間がかかったかは想像もできないでしょう。終わるまでは誰にもわからない。そういった視点で見ると、私たちの動きはそれなりに早いのですが、相手の時間も必要ですから急かすわけにもいきません」
ドライバーのマーカス・エリクソン(写真)は、マシンには「新たな空力パッケージが必要」だと感じているものの、財政難によって導入が阻まれていると話した。
「ウイングとフロアは(プレシーズン)テストで使用したのと同じもので、それらは昨年終盤のものと、とても似ている。いつか新しくなることはわかっているが、いつになるかはわからない。より競争力をつけるためには、すぐにでも必要なんだ。作業はしているけれど、すぐにコースデビューさせられる段階ではない。まだ設計の途中というところだ」
現在保留となっているアップデートのパッケージは、重要かつ、チームに利益をもたらすものになるはずだと、カルテンボーンは言う。
「マシンのポジションとしては、あるべき位置にいます。けれどもベースは悪いものではありません。作業中のパーツを持ち込むことが必要なんです」