スペインGPで起きたルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのクラッシュについて、ジャッキー・スチュワートは、ハミルトンに非があるとの見解を示し、彼はオープニングラップの戦い方を考え直すべきだと述べた。
バルセロナでのレースの1周目、ハミルトンはターン1でチームメイトのロズベルグにリードを奪われた。だが、ロズベルグは間違ったエンジンモードを選んでいたためにパワーを失い、ターン3出口でポジションを守ろうとしてラインを変える。これによりグリーンに押し出されたハミルトンはスピンし、コントロールを失ってチームメイトのマシンをヒットしてしまった。
メルセデスのチームボス、トト・ウォルフは、どちらが責めを負うべきかは明確ではないと述べ、レーススチュワードもこの接触はレーシングアクシデントと判定した。
だが、このアクシデントから数日後、3度のF1世界チャンピオン経験者であるスチュワートは、「責めを負うべきはハミルトンだ」と語った。
「それなりに経験のあるドライバーが1周目にアクシデントを起こすというのは受け入れがたい。偉大なドライバーたちは、決してそういったことをしなかった。ファン・マヌエル・ファンジオ、スターリング・モス、ジム・クラークが1周目にクラッシュする場面など、誰も見たことがない」
「偉大なドライバーの大きな長所のひとつは、自分自身の精神的なマネジメントができることだ。私も体と頭から感情を消し去る方法を学んでからは、いつもレースの最初の5周で勝負を決めることができるようになった」
スチュワートは、ハミルトンがこの一件から教訓を得て、今後はあのような動きがチームに及ぼす影響を考えるようになってほしいと述べている。
「彼が教訓を得てくれるといいんだが。ルイスは衝動的にあの動きに出たのであって、もし彼が自分の行いを振り返ってみるならば、決してまた同じことをやろうとはしないだろう」
「彼はスペインで起きたことについて考える必要があるし、自分の雇い主に与えた被害の大きさを考えなければならない。メルセデスが被ったダメージはふたり分だ。チームとしてはワンツーでフィニッシュできた可能性が高いのだから。ルイスは自分がどんな責任を負っているかについて、よく考え直す必要がある。そして、これはトップレベルのドライバー全員に言えることだ」
「あれがもしベッテルだったら、アクシデントは起きなかったと思う。彼ならあのようは動きはしなかった。アロンソもやらなかっただろうし、ロズベルグもあのようなことはしなかったはずだ」