2017年にF1パワーユニット開発を制限する“トークン”制度がなくなることを受け、ホンダがパワーユニットのデザインを根本的に見直す可能性があると、ホンダF1プロジェクト総責任者、長谷川祐介氏が示唆した。
これまでパワーユニットの開発はトークン制により制限されていたが、来季この制度が廃止されることにより、自由度が高まることになる。これに伴い、ホンダはデザインアプローチを再考する可能性があるという。
マクラーレンは、2015年から新たにパワーユニットパートナーとしてホンダと契約して以来、“サイズゼロ”というリヤを非常にタイトにする、アグレッシブなコンセプトを選んだ。新パワーユニットの規則の下でF1に新たに参入したホンダが多数の信頼性のトラブルに見舞われた理由のひとつは、このコンセプトへの対応が非常に難しかったことだと考えられている。
今年もこのコンセプトを維持しているマクラーレン・ホンダだが、ホンダは来季に向けてレイアウトを見直すという推測が今年しばしば伝えられている。
ドイツのAuto Motor und Sportは4月末に、ホンダは来年「エンジンコンセプトを変更する」と報じた。
「ホンダはコンプレッサーをVの中に収める配置は誤りであると理解した。スペースは節約できるものの、コンパクトさが空力面でもたらすメリット以上に、効率とパワー面での損失が大きい」
ホンダは今のコンセプトはデメリット以上にメリットが大きいと考えているものの、来季規則が変わることで異なるアプローチをとることも選択肢として検討していると、F1iが伝えた。
「正確な仕様とレイアウトはまだ決めていません」と長谷川総責任者が語ったとF1iが報じている。
「デザイン上、自由な領域が広がる方が喜ばしいことです」
「エンジン改善のためにあらゆることをやっていきたいと思っています。まだ決定していませんが、やる必要のあることはすべてやるつもりです」
「今シーズン中にパッケージングについて決めなければなりません。どのチームもデザインは9月か10月ごろに確定することを望んでいます。私たちにとっては厳しいチャレンジになります」