FIA フォーミュラE第8戦ベルリンePrixは21日、ドイツ・ベルリンの市街地コースで48周の決勝が行われ、ルノー・e.ダムスのセバスチャン・ブエミが今シーズン3勝目を挙げた。
今年から、ベルリン市街地の特設コースが舞台となったシリーズ第8戦のベルリンePrix。1周が1.927Kmと2015/16シーズンで2番目に短いコースだがスタンドには大勢のファンが詰めかけ、この日のチケットは完売するなど、前戦パリ同様の盛り上がりとなった。
予選でポールポジションを奪ったのはDSバージンのジャン-エリック・ベルニュだったが、レースのスタートでは同じフロントロウのブエミがホールショットを奪った。ブエミは一旦ベルニュの逆転を許したものの、6周目に再びトップに立つと、その後は後続を徐々に引き離す展開に持ち込んでいった。
一方、2番手に下がったポールシッターのベルニュはそれ以降なかなかペースが上がらず、3番手ダニエル・アプト(アプト・シェフラー・アウディ)のプレッシャーにさらされ10周目に3番手へ後退。さらに、レース半ばの20周目にはシケインのボラードを叩いて右フロントタイヤのカウルを破損。ピットストップ直前にも同じミスでフロントウイングを脱落させるなど、5番手までポジションを落とすことになった。
その間、トップのブエミは着々と2番手アプトとの差を広げると、30周目を前に約10秒のリードを構築。その後は、ファステストラップの2ポイントを狙うために、5秒前後までリードを削る場面があったものの、終始安定した速さをみせたブエミは、終盤のセーフティカーでリードを失ったものの、SC明けの再スタートも難なく決めてそのままチェッカー。今シーズン3勝目を挙げた。
2位はアプト、3位にはチームメイトのルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディ)が入った。予選で10番手に沈んだディ・グラッシは、マヒンドラの2台がタイヤ内圧の規定違反で後方スタートになったことで8番グリッドからスタート。オープニングラップで早くも6番手に上がると、その後も4番手を走っていたサム・バード(DSバージン)が車両ダメージでピットストップを余儀なくされるなど、ポジションをアップ。ベルニュのアクシデントで4番手まで浮上すると、40周目にはニコラ・プロスト(ルノー・e.ダムス)を抜いて表彰台圏内まで上り詰めた。
ただ、SC明けのラスト2周では、チームが前を走るアプトにチームオーダーを指示したものの、地元レースのアプトはディ・グラッシへの態度を明確に示さないまま走り続け、結局そのままのポジションでフィニッシュ。
「オーダーがあったので、そうしようと思いメインストレートで少し緩めたが、彼には伝えわらなかったようだ」とアプト。
この結果、ランキング首位のディ・グラッシと2位ブエミのポイント差は1となり、第9戦と最終戦が行われる次のロンドンでチャンピオンが決まることとなった。