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求人詐欺にココリコ遠藤が辛口コメント 「社会ってそういうとこ。懐を大きくして立ち向かっていかないと」

2016年05月21日 14:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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「月給25万」と書かれていたのに、実は残業代込みの金額。「実働8時間」が、本当は13時間。「賞与あり」となっていたのに、ほぼ出ない―――。今、そのような求人票の虚偽記載による被害が、大きな広がりをみせているという。

5月12日の「キャスト」(朝日放送)が特集したのは、そんな「求人詐欺」の実態。売り手市場になっている今、企業はできるだけ高待遇な条件を表記し、良い人材、多くの人材を集めるために必死だ。(文:みゆくらけん)

人手不足で爆発的に増加「虚偽がない求人を見つける方が難しい」

23歳のKさんは、希望した大手エステ会社に入社。しかし実際に働きだしてみると、求人票に書かれてあった条件とはまるで違っていたと憤慨する。勤務時間は「10時45分~20時15分」とあったが、実際はレッスンが朝にあるため8時半には早出させられる。

夜の残業が常態化しており、22時を回ることもあった。休憩時間は90分となっていたが、実際は60分も取れない。残業代も一部支払われていないものがあるのだという。Kさんは現在、ストレスからくる不眠症で休職中だ。

「こんなことになるとは思っていなかった。もっと楽しくエステがしたかった。普通の会社に就職したいです」

別のエステ会社に勤務する女性も、求人票に出産・育児の休暇制度が整っていると書かれていたのに、実際には産休を取って3か月~半年で戻ってこないと役職を失うと明かす。このため産後1か月で無理に戻ってくる人も多く、女性は肩を落とし、こうつぶやく。

「普通、妊娠した時は喜ぶんですけど、私たちの会社は喜べなくて辛い」

他にも「休日返上して働いているのに手当が付かない」「給料が大幅に違う」など被害を訴える人は多い。厚生労働省によると、求人票にまつわる苦情や相談は年間1万2000件以上も寄せられているという。

しかしNPO法人POSSE代表の今野晴貴さんは、この数字について「氷山の一角に過ぎない」とし、「全く虚偽がない求人を見つける方が難しい」と話す。今年は特に人手不足で企業が人集めを競っているため、「求人詐欺」が「爆発的に増える」と睨んでいる。

「大人として」ある程度持つべき覚悟を語る遠藤

VTRを見てスタジオのココリコ・遠藤章造は「(僕が)ずれてるのかもしれないけど」としながらも、「社会ってそういうとこ」と大胆コメント。求人詐欺などあってはいけないが、「大人として」ある程度持つべき覚悟について持論を展開した。

「どっかこう、疑ってかかるじゃないけど、自分の懐を大きくして社会に立ち向かっていかないと、こういうことはいっぱいあるのかなと思う」

若干ためらいがちに言葉を選びながらコメントしたのは、「芸人に一般企業の勤め人の何がわかるんじゃ!」という声が飛んできそうだからか。

しかし、遠藤の言っていることはよくわかる。確かにウソや曖昧さでごまかしてまで人を集めようとする求人スタイルは改善すべきだ。せっかく頑張ろうという気で入った人の期待を裏切ることになるし、それでは仕事へのモチベーションも下がって当然だ。

ただ、その一方で、遠藤が伝えたい「大人や社会って、ある程度はそういうことあるよ」というのも一理あると思う。不条理は世の常とまでは言わないが、「大人としての線引き」は持つべきなのだ。しかし、その線引きが明確でないのが難しい。

大谷昭宏「自分が成長するために必要な残業もある」

過酷な労働条件に「求人詐欺だ」と訴えても、社会人として未熟な者がただ吠えているだけと判断される場合もあるだろう。逆に「社会人としての会社あるある」なのに、寛容さが持てなくてモンスタービジネスパーソン扱いされることもありそうだ。

隣に座るコメンテーターのジャーナリスト・大谷昭宏は「会社と個人が戦ったら会社が強いに決まっている。だから『文句を言ったら自分が切られるんじゃないか、出世に響くんじゃないか』と思って泣き寝入りする人もいる」と、対策の必要性を示唆した。

その一方で「だけど受け身じゃなくて自分から情報を取りにいくのが大事」とコメントしつつ、「遠藤さんがおっしゃったように」と以下のように続けた。

「勘違いしないで欲しいのは、どの企業だって、たとえば九州で大地震が起きたら17時までの勤務時間でも『今日はちょっと待ってくれよ。これは我々の仕事としてやらざるを得ないんだよ』というのも、世の中にはあるというのを分かって欲しい。それは決してブラックではなくて、自分が将来成長していくために必要なことかもしれない。そこを分けて考えてほしい」

ウソの労働条件で求人するやり方はダメ、ゼッタイダメ。経営者の責任や労働者の権利が軽視されてもいけない。しかし、働く側の適度な覚悟や柔軟性もやはり必要だろう。「適度」って、あぁムズカシイ……。

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