16日から走行がスタートした第100回インディアナポリス500マイルレース。20日のファストフライデーは、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が232.672mphとトップスピードを記録した。佐藤琢磨(AJフォイト)は、27番手と依然苦戦している模様だ。
ファストフライデーと呼ばれる予選前の最後のプラクティスデー。この日から予選用のターボチャージャーが導入され、よりハイスピードの走行が行われる。
12時から18時まで33台が走行を重ね、明日から始まる予選に向けてセッティングを進めていった。各車すぐに230mph台に突入。さらに時間が進むにスピードは上がり、夕方にパワーがこの日のトップとなる232.672mphをマークした。
ここまでホンダ勢がトップをキープしてきたが、5日目にしてシボレー勢が初めてトップに立った。ファストフライデーのトップに立ったパワーには、今年も賞金1万ドルが授与されている。
「みんな、予選シミュレーションをしていたけれど、僕たちはいちばん速いクルマを持っていると思うよ。本当にいい感じなんだ。シボレーは、ここでいい仕事をしてくれた。厳しいバトルになるだろうね。ポールを獲得するために毎年戦っているけど、今年はいいアタックできるよ」とパワーはコメント。
2番手には、232.344mphを記録したジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)が入りシボレー勢にトップ2を奪う。しかし、3番手から11番手まではアンドレッティ・オートスポートを中心としたホンダ勢が独占した。
3番手に入ったジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)はトップを奪ったパワーの躍進に対し、「彼はペンスキーの一員だからね。驚いていない。彼らがここですることだよ。ロジャー・ペンスキーが、スピードを示すことを知らずにインディ500で15勝もできない。だから、彼らがスピードをアップさせても驚かないさ」とコメント。
昨年、プラクティス走行中のクラッシュで大怪我を負いインディ500からシーズンを欠場したヒンチクリフ。「明日の朝は走らないつもりだ。準備はできているよ」とすでに予選へ向けて準備万端のようだ。
4番手にカルロス・ムニョス、5番手にマルコ・アンドレッティ、6番手にタウンゼント・ベル、7番手にライアン・ハンター-レイとアンドレッティ勢が続き、9番手のミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン)までが231mph台を記録している。
ここまでなかなか走行を重ねられていない佐藤琢磨は、この日もスピードは伸びず228.926mphと27番手に終わった。チームメイトのジャック・ホークスワースは22番手、アレックス・タグリアーニも29番手と3台体制のAJフォイトは苦戦中のようだ。
21日の予選日は、午前中にプラクティス走行が行われ、13時から17時50分まで1台ずつ予選アタックが行われる。いちばん初めにアタックが予定されているのはトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)だ。
上位9台が翌日のポールデーでポールポジションを争うファスト9に進出し、10番手以下は、10位~33位を争うセッションに進む。今年は33台フルグリッドエントリーのため、グリッド進出をかけて争うバンプアウトは行われない。