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「ホンダ復帰後初Q3は見事。しかし次の一歩が欲しかった」:英誌全ドライバー採点スペインGP編

2016年05月21日 13:21  AUTOSPORT web

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2016年F1スペインGP フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)
英AUTOSPORTが2016年第5戦スペインGPを戦った全ドライバーを10点満点で評価した。今回は10点獲得者はふたり、新体制のマクラーレン・ホンダで初のQ3進出を達成したフェルナンド・アロンソと、決勝で見事結果を出したジェンソン・バトンにも比較的高い評価が与えられている。

 この企画は英AUTOSPORTが数年前から行っているもので、各グランプリにおいてすべてのドライバーに関して主に予選と決勝のパフォーマンスを評価し、さまざまなソースから得た情報を加味して採点する。

 今回は満点がふたり、以下9点がふたり、8点が7人と、全体的に高い評価を与えられたドライバーが多かった。

※次ページ以降の内容
■スペインGP 満点&9点の4人は……
■マクラーレン・ホンダ:現体制初のQ3は達成したが……
■同士討ちのハミルトンとロズベルグ、どちらが悪い?
■スペインGP 全ドライバーへの評価点


■スペインGP 満点はフェルスタッペンとサインツの元トロロッソコンビ

 今回満点10点と評価されたのは、レッドブル・レーシングに移籍した初レースで史上最年少の初優勝を挙げたマックス・フェルスタッペンと、姉妹チーム トロロッソのカルロス・サインツJr。

 フェルスタッペンは4番グリッドから優勝を飾った。
「初めてのマシンにあっという間に適応し、Q3の最後のアタックまでは予選でずっとチームメイトのダニエル・リカルドを上回るタイムを出していた。リカルドから0.4秒差の4番手というのは、移籍後初予選としてはいい結果である」」と寸評には記されている。

「メルセデスの同士討ちとリカルドの戦略失敗によって、勝利がフェルスタッペンに転がり込んできたのは確かだ。しかしとてつもないプレッシャーの下でそれをきちんとものにした走りは非常に素晴らしかった」

 サインツJr.は8番グリッドから6位入賞を成し遂げた。
「サインツにとって、F1デビュー以来、最も完成された週末だった。トロロッソに可能なベストのグリッドをつかみ、決勝ではオープニングラップを非常にうまく走り、短い間ながらフェラーリ勢と戦った」

「ピットストップでウイリアムズのバルテリ・ボッタスに前に出られてしまったが、それは避けがたい展開だった。その後、果敢にプッシュし、自己最高位を獲得した。これ以上は望めない、最大限の結果を出したといえる」

■ペレスとエリクソンが大健闘

 9点の評価点を得たのはフォース・インディアのセルジオ・ペレスとザウバーのマーカス・エリクソンだった。

 ペレスは9番グリッドから7位フィニッシュを成し遂げた。
「今回もまたチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグを予選で破った。決勝ではサインツとボッタスを懸命に追いかけたが、VJM09にはこれ以上の結果を出す力はなかった。非常に長い最終スティントを走りながら、タイヤをうまく持たせ、背後から迫りくるフェリペ・マッサからうまくポジションを守った」

 エリクソンは19番グリッドからスタートし、12番手でフィニッシュした。
「予選でチームメイトのフェリペ・ナッセに0.377秒の大差をつけた。彼のF1キャリアの中でベストの予選のひとつといっていいだろう」
「決勝も素晴らしく、1周目でいくつかポジションを落としたものの、アグレッシブな戦略でそれ以上に順位を上げた。2台のルノーを破ったのは見事な結果だ」

※次ページ以降の内容
■マクラーレン・ホンダ:現体制初のQ3は達成したが……
■同士討ちのハミルトンとロズベルグ、どちらが悪い?
■スペインGP 全ドライバーへの評価点


■マクラーレン・ホンダ:現体制初のQ3は達成したが……

 マクラーレン・ホンダのアロンソは、昨年マクラーレン・ホンダのパートナーシップが復活して以来、初の予選Q3入りを果たした。バトンはロシアGPに続く入賞を成し遂げており、ふたりとも8点の評価が与えられた。

 アロンソは10番グリッドからスタートしたものの、エンジンがストップし、リタイアという結果に終わった。初のトップ10がその先の結果につながらず残念だと評されている。

「MP4-31から優れたパフォーマンスを引き出し、非常にうまく予選トップ10獲得へとつなげた。ホンダ復帰以来、初のQ3進出だ。しかし残念ながらそれが精いっぱいの結果だった」

「決勝オープニングラップのターン3でワイドになり、順位を落とした。その後、チームメイトのバトンを追いかけ、入賞がほぼ確実に見えたが、“ソフトウェアのコマンドの問題”により、エンジンがシャットダウンし、レースを終えた」

 バトンは12番グリッドから9位入賞を果たした。
「プラクティスではオーバーステアに苦しんでいたが、予選でのアロンソとのタイム差はさほど大きくなく、Q3をわずか0.156差で逃した」

「素晴らしいスタートを切ってアロンソとヒュルケンベルグの前に出た。だがその後はグリップがなく苦労した」

「それでも、エステバン・グティエレスが駆る不調のハースを終盤に抜き、クビアトを押さえ切って2ポイントをつかんだ」

※他ページの内容
■同士討ちのハミルトンとロズベルグ、どちらが悪い?
■スペインGP 全ドライバーへの評価点
■スペインGP 満点&9点の4人は……


■同士討ちのハミルトンとロズベルグ、どちらが悪い?

 メルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグはオープニングラップでクラッシュし、リタイア。共に今回最低点の4点という評価になった。


 ハミルトンは今季3回目のポールポジションを獲得した。
「金曜には苦労していたが、ロズベルグのセットアップに合わせたことでマシンが改善、ポールポジションを獲得した。しかしよかったのはそこまでで、決勝1周目のターン1でロズベルグに出し抜かれ、その後突然パワーが低下したロズベルグに仕掛けようとしてクラッシュした。一瞬あいただけの隙間に飛び込み、ハミルトンは大きなつけを支払うことになった」


 ロズベルグは2番グリッドからスタート直後にトップに立っていた。
「ポイントリーダーのロズベルグは金曜からずっと優勢だったが、予選Q2以降、ハミルトンの後塵を拝した。決勝オープニングラップのターン1で大胆なオーバーテイクを実行、トップに立ったものの、その後、パワー低下のためにハミルトンに追いつかれた」

「ジャック・ビルヌーブはロズベルグの防御は“容赦がなさすぎた”と述べている。ロズベルグは今回ハミルトンに勝たなければならないと思っていた。だが、結果的にメルセデス全体にとって非常にダメージが大きい結果となった」

※他ページの内容
■スペインGP 全ドライバーへの評価点
■スペインGP 満点&9点の4人は……
■マクラーレン・ホンダ:現体制初のQ3は達成したが……


■スペインGP 全ドライバーへの評価点

 英AUTOSPORTによる2016年第5戦スペインGPでの各ドライバーの点数は以下のとおり(10点満点)。

■メルセデス
ルイス・ハミルトン:4点
ニコ・ロズベルグ:4点
■フェラーリ
セバスチャン・ベッテル:8点
キミ・ライコネン:8点
■ウイリアムズ
フェリペ・マッサ:7点
バルテリ・ボッタス:8点
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド:8点
マックス・フェルスタッペン:10点
■フォース・インディア
ニコ・ヒュルケンベルグ:6点
セルジオ・ペレス:9点
■ルノー
ケビン・マグヌッセン:5点
ジョリオン・パーマー:7点
■トロロッソ
ダニール・クビアト:7点
カルロス・サインツJr.:10点
■ザウバー
マーカス・エリクソン:9点
フェリペ・ナッセ:7点
■マクラーレン
フェルナンド・アロンソ:8点
ジェンソン・バトン:8点
■マノー
パスカル・ウェーレイン:8点
リオ・ハリアント:6点
■ハース
ロマン・グロージャン:6点
エステバン・グティエレス:7点

※他ページの内容
■スペインGP 満点&9点の4人は……
■マクラーレン・ホンダ:現体制初のQ3は達成したが……
■同士討ちのハミルトンとロズベルグ、どちらが悪い?