今週末、イタリアのムジェロサーキットでMotoGP第6戦イタリアGPが開催される。
イタリアGPの舞台となるムジェロサーキットは、イタリアのトスカーナ地方、フィレンツェ郊外の丘陵地帯にある高速テクニカルコース。1周5.245kmのコース全長を持ち、右コーナー9、左コーナー6のレイアウト。メインストレートは1141mと長く、MotoGPクラスのトップスピードは345km/hにも達し、1周の平均速度も175km/hというハイスピードコースでもあり、長いストレートを使ったスリップストリームの使い合いが見所でもある。
丘陵地帯にあるコースのため、アップダウンが大きく、さらに回り込んだコーナーや切り返しのあるコーナーが多いので、マシンセッティングが難しいコースとしても知られている。
昨年のレースではMotoGPクラスではホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)が優勝、2位にアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ・チーム)が続き、3位にバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)が入賞した。Moto2クラスではティト・ラバット(カレックス)、Moto3クラスではミゲール・オリベイラ(KTM)が優勝した。
MotoGPクラスでは前戦フランスGPで今シーズン2勝目を記録したホルヘ・ロレンソがランキングトップに浮上した。ムジェロでは2011年、2012年、2013年、2015年と通算4勝を記録している。
「ル・マンは重要な勝利で、僕たちはチャンピオンシップのリーダーだから、大好きなムジェロに向けて、モチベーションが高い。ムジェロは走ることが楽しい得意なコースの一つ。世界で最も美しいトラックの一つでもある。ムジェロのコースレイアウトは、YZR-M1と僕のライディングスタイルに合っている。今年は新しい電子制御とタイヤとなったので、それがどう影響するのか確認しよう」とロレンソ。
マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)はフランスGPで転倒し、再スタートして13位に入賞したが、ランキングトップからロレンソと5ポイント差のランキング2位に後退してしまった。ムジェロでは2014年に1勝を記録している。
「これからの2戦がすごく楽しみ。ヘレス、ル・マンとは全くコースのキャラクターが異なるムジェロとカタルニアに集中しなければ。スピードが求められ、ここ2年間はその要求が厳しかった。今年はうまくできると考える。もし、アクセラレーションが進歩すれば、僕たちのバイクはベストな1台だ。レギュレーションでエンジン開発が制限されていることから、簡単なことではないけど、ホンダは他の分野に関して全力で作業に取り組んでいるし、彼らを信じている。ポジティブな姿勢を保ち、表彰台を目標にムジェロに乗り込もう」とマルケス。
ランキング3位のバレンティーノ・ロッシにとってムジェロはホームレース。ムジェロでは2002年から7連勝を記録した経験を持つ。
「ムジェロとその雰囲気を愛している。たくさんの友人たちとファンに囲まれるから集中力を維持することが非常に難しいけど、だからこそ特別なレースなんだ。過去には勝利を挙げ、激しいバトルを繰り広げ、たくさんのいい思い出がある。バイクはこのコースに合っている。僕自身も好調だから、戦闘力があると思う。ル・マンではレースに向けて正しいセットアップを整えるのに時間がかかった。ムジェロでは同じ過ちを繰り返さないようにしたい」とロッシ。
ランキング4位のダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)は今レースで通算250戦目を迎える。ムジェロでは2010年に1勝を記録。今レースの前には所属チームのレプソル・ホンダと2017年からの2年間の契約延長が決定。
「契約を更改してムジェロに臨むことができてうれしい。ムジェロは高速でいいマシンセットアップを見つけることが重要なコース。金曜日から順調に仕事を進めたい。予選ではいいグリッドを得て、決勝ではスタートからトップグループに加わることができるようにしたい」とペドロサ。
ムジェロのウイーク直前に、来年からのモビスター・ヤマハ・MotoGP入りが決定したマーベリック・ビニャーレス(スズキ・チーム・エクスター)はランキング5位。前戦フランスGPではMotoGP初表彰台となる3位入賞を果たした。
「僕とスズキにとっての初表彰台は、信じられない経験だったし、さらなるモチベーションをもたらしてくれる。ムジェロは、とてもテクニカルな高速トラック。僕たちの特性に適応しなければいけない。僕たちは上位陣に接近でき、戦うことができる。これが僕たちの目標だ」とビニャーレス。
ポル・エスパロガロ(モンスター・ヤマハ・テック3)がサテライト勢トップのランキング6位に続き、アレイシ・エスパロガロ(スズキ・チーム・エクスター)がランキング7位。エクトル・バルベラ(アビンティア・レーシング)がドゥカティ勢トップとなるランキング8位、ユージン・ラバティ(アスパー・チーム・MotoGP)がランキング9位に続く。イアンノーネはランキング10位、イアンノーネは来年からのスズキ移籍が決定した。
ドビジオーゾは2回接触された転倒も含めて、転倒によるノーポイントが多く、ランキング11位。来季もドゥカティとの契約継続が決まっている。
Moto2クラスでは前戦で今季2勝目を記録したアレックス・リンス(カレックス)がランキングトップに浮上、サム・ロウズ(カレックス)は5ポイント差のランキング2位に後退、トーマス・ルティ(カレックス)がランキング3位に続く。
中上 貴晶(カレックス)はランキング11位、前戦フランスGPでは今季ベストとなる5位に入賞している。ムジェロではMoto2フル参戦初年度の2012年にトップを走行し7位に入賞、2013年には予選2番手を獲得している。
Moto3クラスではスペインGP、フランスGPと連勝したブラッド・ビンダー(KTM)がランキングトップ。ホルヘ・ナバーロ(ホンダ)がランキング2位、ホームレースでムジェロでは2014年に1勝を記録しているロマーノ・フェナティ(KTM)がランキング3位に続く。
尾野 弘樹(ホンダ)は2戦連続ノーポイントが響きランキング19位。尾野は昨年のムジェロでは予選2番手を獲得している。鈴木 竜生(マヒンドラ)はスペインGP、フランスGPと2戦連続で15位に入賞し、ランキング26位につける。