トップへ

ジブリ最新作『レッドタートル』カンヌで公式上映 鈴木敏夫「本当にカンヌに来てよかった」

2016年05月19日 18:41  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)Kazuko Wakayama

 スタジオジブリ長編最新作『レッドタートル ある島の物語』が、5月18日に第69回カンヌ国際映画祭で公式上映された。


参考:ワンカットで2時間13分を撮りきった『ヴィクトリア』、その現代ドラマとしての迫真性


 本作は、短編アニメーション『岸辺のふたり』でアカデミー賞短編アニメーション映画賞を受賞したマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが監督を務めるスタジオジブリ最新作。嵐で荒れ狂う海に放り出されながらも九死に一生を得た男が、漂流した無人島から脱出しようとする中で、不思議な出来事を経験していく模様を描く。


 『岸辺のふたり』を観たスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、同監督の長編アニメーションを観てみたいと思い立ち制作された本作。高畑勲監督参加のもと、シナリオ・絵コンテ作りから効果音・音楽にいたるまで、何度も打ち合わせを重ね、8年の歳月をかけて完成させたという。


 『レッドタートル ある島の物語』が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されることを受け、監督のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットと鈴木敏夫がカンヌ入りし、 5月18日に公式上映を実施。上映前にスタッフを代表して挨拶を行ったマイケルが「メルシーボクー(ありがとう)」と三度繰り返し、続けて当初挨拶の予定のなかった鈴木も「私はフランス語も英語も話せませんが、日本語でメルシーボクーは“ありがとう”です」と英語でコメントした。


 1000席がすべて埋まった会場“ドビュッシーホール”で上映はスタート。上映中は、その圧倒的なアニメーションに観客たちは息を呑み、時に愛らしいキャラクターたちが登場すると笑いが起きたという。上映後は、スタッフに向け、5分を超えるスタンディングオベーションが起き、マイケルと鈴木の2人は感激した様子をみせていた。


 公式上映後に行われた囲み取材で、上映を終えての感想を聞かれたマイケルは、「舞台挨拶で話した通り、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。スタジオジブリのアニメーション制作の豊かな経験から生まれる様々なアイディアはこの作品を作るうえで、とても素晴らしいものでした」と答え、続けて鈴木は「スタンディングオベーションを受けて、本当にカンヌに来てよかった。10年かかっているので喜びもひとしおです。高畑さんも来てくれたら喜んだと思います。ジブリ作品は5月前に完成したことがなかったので、今回初めてカンヌ映画祭に来られて光栄です」とカンヌ初参加への喜びを告白した。(リアルサウンド編集部)