スペインGPで大規模なアップグレードパッケージを投入したフォース・インディアのボブ・ファーンリーが、今年のクルマの開発を打ち切って2017年のマシン開発プログラムに専念し始める時期は、「それほど遠い先のことではない」と語った。
バルセロナでの週末に持ち込まれたVJM09は、フロントウイング、フロア、サイドポッドを含むボディワークが新しくなっていた。
2017年に向けて必要とされる設計思想の変化を考えると、今年のクルマと来年のクルマへの開発リソースの振り分けは、例年以上に難しい課題になる。フォース・インディアの副チーム代表、ファーンリーは、次のように語っている。
「私たちはすでに(来年のマシンについて)一部の作業を始めているし、他のチームも間違いなくそうしていると思う。どこかの段階で開発努力を完全に移行しなければならないし、問題はいつ移行するかだけで、それほど遠い先のことではないだろう」
「(アップグレードしたクルマの)ペースに関して言えば、本来の実力が反映された結果を残したときに、私たちがいるべきポジションにいられるかどうかが問題だ。私たちはそこを目指しているが、今シーズンはまだ先が長い」
このあとも、ある時期までは今年のクルマの開発を続けると、ファーンリーは付け加えた。
「投入した新しいパーツを最適化するには、何レースか走らせてみる必要がある。今週のインシーズンテストで、それを少しでも早めることができればいいと思っている。まずその様子を見定めてから、今後どうするかを決めたい。言うまでもなく、できるだけ早い時期に2017年のクルマの開発へ移行したいからだ」
スペインでは、ニコ・ヒュルケンベルグがオイル漏れによる火災でリタイアしたものの、予選9位のセルジオ・ペレスは決勝を7位でフィニッシュした。ファーンリーは今回のアップグレードが「結果を出した」と考えている。
「先週末は多くの点で得るものがあった」と、彼は言う。「望んでいるレベルのレースペースを実現するには、まだ少しやるべきことがある。そのために必要なデータは今週のインシーズンテストで集められると思う。ニコはオイル漏れのため、レースではほとんど何もできなかったが、チェコ(ペレス)は申し分のない成績を残してくれた」
「もちろん、前の2台(ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのメルセデス)がいなくなったこともある。しかし、私たちもこのクルマの能力を最大限に生かして、完璧なレースができた」
「全体として、このアップグレードはうまく機能した。結果を出したのは間違いないからね。ドライバーたちも、とてもよろこんでいた。あとはレースセットアップを理想的な形に近づけることができれば、さらに高い競争力を発揮できると思う」