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フェラーリ育成ドライバー、まずはハースからフリー走行へ参加の可能性

2016年05月19日 13:31  AUTOSPORT web

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GP3スペイン レース1 表彰台
シャルル・ルクレール(写真中央)はフェラーリで初のF1マシン走行を体験し、ハースF1チームからの金曜フリー走行1回目(FP1)への参加に一歩近づいた。 

 ルクレールは今年上旬にフェラーリ・ドライバー・アカデミーに加入、フリー走行専用スーパーライセンス取得に必要な300kmの走行を、フィオラノで2014年マシンに乗って達成している。ルクレールはコンディションが改善しないままのウエット路面を、ハード、ミディアム、ソフトのデモタイヤで走行。18歳のモナコ出身ドライバーは今シーズン、ARTグランプリからGP3へ参戦している。

 ハースとフェラーリの関係から、ルクレールの目標は今シーズン終盤にハースでFP1に参加することだと考えられる。フリー走行への出走の見込みを聞かれると、アカデミーのトップであるマッシモ・リボラは以下のように答えている。

「今シーズン中になると思う。彼は、集中するべきことはGP3であるとわかっているので、それに関しては特に話をしてはいない。FP1での走行は緊張するようなものではない。そういう流れになれば、それでいいし、見込みはありそうだ。やるなら彼自身が完璧に準備できるよう、今シーズン終盤だと良いと思う。リスクのひとつとしては、若いドライバーがF1のことを考え始めると、集中力を失うことがある。でも彼に関しては信頼している」



 ルクレールの仕事の進め方や、様々なコンディションで異なるタイヤを履いた状態でのF1マシンの扱いに、リボラは感心している。

「マシンに乗り込む前に、才能を見せようとしなくていいことを伝えた。彼の能力はわかっているので、たとえばシミュレーターなど、いろいろな仕事をしていく上で、頼れる相手であることを証明する必要があった。若いドライバーとしては、かなり頭がいい。それは多くのドライバーに備わっているものではない。彼の最初のターゲットは、それを見せることだった」

「全体的に見て、とても良い仕事をした。速さも見せ、大きなミスもしなかった。異なるタイヤを履いたときにはグリップの違いも感じ取り、パフォーマンスが向上した。1日の終わりに彼と話をしたところ、私に感謝してばかりいたよ。彼の人生で最高の1日だったそうだ。そういうドライバーと仕事ができるのは、素敵なことだ」



フリー走行専用スーパーライセンスとは

 これの取得により、将来を期待される若いドライバーは、通常のF1スーパーライセンスの条件を満たすことなく金曜フリー走行に参加することができる。

 認定に関しては、まず第一にFIA国際A級ライセンスと、申請時に有効な運転免許証が必要となる(マックス・フェルスタッペンはF1デビュー時に後者を保持していなかった)。またデビュー戦となるF1レース週末に、18歳になっている必要がある(これについても、かつてのフェルスタッペンは当てはまらない)。

 初申請の際には、ドライバーはインターナショナル・スポーティング・コードとF1スポーティング・レギュレーションの重要項目に関する質疑応答をパスしなければならない。またFIAは、ドライバーがシングルシーターで一貫して能力を発揮しているか否かを判断する。チーム側は、ドライバーがF1マシンを安定したレーシングスピードで、少なくとも300km走行していることを証明しなければならない。

 取得後は12カ月の間、暫定的なライセンスが発行される。暫定的なものであるため、いつでも妥当性が再検討される可能性がある。