価値観の多様化が進んでいるが、ことタバコの話となると火が点きやすい現代。5月16日の「バイキング」(フジテレビ系)でも出演者が激しくバトっていた。話題の中心はフィリップ モリス ジャパンが販売する次世代タバコ「iQOS(アイコス)」。火を使わない電子タバコだ。
ニオイが少なく灰や煙も出ないが、喫煙そのものに嫌悪感を抱く人からすると、そういう問題ではないらしい。番組メンバーの中では、特に元長野県知事の田中康夫が「タバコ=悪」という姿勢を貫き通していた。(文:みゆくらけん)
「どうして禁煙外来に行かないの?」にイライラ爆発
路上喫煙を禁止する自治体は少なくないが、その主な理由は吸い殻や灰によるゴミ問題、火傷などの事故、副流煙の害など。しかしタバコの葉を電気で加熱し、ニコチンを含んだ蒸気を吸う電子タバコの場合は、それらの問題を生じさせることはない。
愛煙家の坂上は「iQOS」が路上禁止の対象に入っていないことを前提に、「なら(路上で)吸ったっていいじゃん。どこまで叩きゃ気が済むんだ」と言い捨てた。すると田中はこう尋ねた。
「どうして禁煙外来に行かないの?」
喫煙を止めるか止めないかの話ではなく、あくまで電子タバコの路上喫煙の問題なのだが、田中は「ヨーロッパでも、イタリアやフランスやスペインなどラテン的なタバコを吸う国でも、もう店の中とか全部禁煙。あの北京ですら禁煙なんだから」と続ける。
徐々にイラつきが顔に出てきた坂上は、こうブチ込む。
「日本でしょココ、田中さん! それはくだらないよ! …禁酒外来になんで行かないの? あなたが大丈夫な嗜好品に関してはOKなんですか!?」
タバコは副流煙が、と田中が言いかけるが、坂上は「電子タバコは副流煙、関係ない!」と断ち切った。
「坂上さんのワンちゃんだって内心怒っていると思う」
iQOSを愛用するブラックマヨネーズの吉田敬は、その場で実際に吸ってみせ、田中に近づいてどれほど煙や臭いがないかを確認させていた。それでも田中は「でもやっぱり(通常のタバコの)10分の1のニオイが」と頑なだ。
電子タバコにしたことで普通のタバコを吸う本数が減ったという吉田に「だったらもう一歩進んで、もう外では吸わないってならない?」と田中が言うと、「もうあんなオッサン(田中)の言うこと聞く必要ないよ」と坂上が制した。
それでも「アメリカでは国自体はタバコを作っているけど、自分たちの国ではほとんど禁止になっている。釈然としないところだよ?」と自分を曲げない田中。最後に、
「やっぱりコレは、みんなが努力して止めましょうよ」
とまとめだすと、これには非喫煙者の東ちづるも「あのさぁ、そういう『みんなで努力』ってコワイよ。気持ち悪い。同調圧力につながっていくような気がする」と嫌悪をみせた。それでも心折れない田中は、坂上に向かってこうポツリ。
「坂上さんのワンちゃんだって内心怒っていると思う」
地雷を踏まれた坂上は、心底ウンザリした様子で「この人、ホントに知事やってた人なの?」と顔をしかめた。
ブラマヨ吉田は「エロ本とホンマの浮気ぐらい違う」
しかし今回のトークバトル、表向きは坂上と田中が目立っていたが、実は吉田が熱かった。他の先進国と同じように禁煙化をさらに進めたい田中に、正しいかどうか分からないが、こんな比喩を使っていた。
「京都土産の八つ橋がおいしいからって、全国の土産物屋で八つ橋売っていいんか! 自分がないんか!」
従来のタバコと電子タバコを混同しがちな田中には「エロ本とホンマの浮気ぐらい違う」とも。ちなみに電子タバコの路上喫煙については、東京23区のうち規制対象が6区、規制対象外が11区、検討中が6区だという。いまは少数派だが、今後は増えるかどうか。
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