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Excellence Porsche スーパーGT第2戦富士 レースレポート

2016年05月18日 16:51  AUTOSPORT web

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Excellence Porsche
Excellence Porsche

2016 AUTOBACS SUPER GT
Race Report
Fuji
May 3/4 2016

Naoya Yamano / Jorg Bergmeister

Qualify : 21st (1'37"935)
Race : 23rd (93 Laps)

「反省すべき点が多すぎるレース」と藤田正代表が語ったように、悔しい開幕戦を終えたExcellence Porsche Team KTR。ニュー ポルシェ911 GT3 Rの性能をフルに発揮し、勝利を狙うべく体制を敷いたにも関わらずの第1戦岡山の成績に、チームはゴールデンウイークの一戦である第2戦富士に向けて、緊急ミーティングを実施。体制を再構築し富士に臨んだ。
 迎えた5月3日の予選日は、曇りだったが空は明るく、観戦日和。Excellence Porsche Team KTRは、午前9時からの公式練習で午後の予選に向けたセットアップを進めるべく、山野直也にステアリングを託しコースイン。7周目に1分38秒538というベストラップをマークしつつ、ピットインを繰り返しながら、27周を終えヨルグ・ベルグマイスターに交代。合計35周をこなした。セットアップも満足いくものができあがり、バランスも悪くない。が、しかし……。順位は18番手。当初から性能調整が苦しいものであることは予想されたが、それを上回るほどライバルに対しての順位が悪い。14時30分からの予選でも山野がアタックしてノックアウト予選Q1に挑んだが、5周目に1分37秒935をマークするも21番手。Q2進出はならなかった。決勝レースに向けて、ポルシェのメリットである軽さ、そしてタイヤへの優しさを武器に巻き返しを狙うしかない。

 明けた5月4日は、前夜から降り続いた雨も早朝には止み、風は強いものの青空が広がった。5万100人という大観衆を迎えて行われた午前8時30分からのフリー走行では、決勝に向けて山野がステアリングを握り、15周を周回。レースに向けて準備を整えた。
 迎えた14時からの決勝。Excellence Porscheのスタートドライバーは山野だ。上位進出を目指し、スタート直後から前に食らいつこうとしていた山野だったが、なんとExcellence Porscheのエンジンが突然止まる症状が出はじめてしまう。異変を感じた山野は、なんとかポジションを落とさず奮闘をみせるも、エンジン停止の症状は治まらず9周目に緊急ピットイン。出鼻をくじかれるかたちとなってしまった。
 ポルシェAGのエンジニアたちは急いで原因を特定し、修復にかかる。トラブルはエンジンの動作を司るコンピューターで、それを交換したところ症状は回復。山野がステアリングを握ったままピットアウトしていった。だが、ポジションは29番手。実質最後尾だ。
 ただ、トラブルを解消した後のExcellence Porscheは、快調に周回を重ねていく。集団のなかでのバトルではなく、単独走行となった好影響もあるのだが、それを差し引いても快調と言えるラップタイムを刻んでいく。48周目に山野はピットインし、ベルグマイスターに交代。気温が変化するとさらにペースを増し、85周目にふたたびピットへ。今回義務づけられている2回ピットインをこなし、タイヤ無交換のまま山野が再度ステアリングを握り、無事にフィニッシュした。
 最終的な順位は23位。ただ、好調だったレースペースは、上位フィニッシュしたライバルたちとほとんど変わらないものだった。レースに“タラレバ”は禁物だが、もしトラブルがなかったら、トップ10前後でのフィニッシュは間違いなかった。悔しい結果とはなったが、Excellence Porsche Team KTRにとって、確実な手応えを得た第2戦ともなった。

Quote.
Naoya Yamano A Driver
クルマのバランスも悪くなく、土曜午前からセットを進めてきましたが、タイムはライバルに対し厳しいものがありました。ただ、僕たちはGT3勢のなかではタイヤへの負担も少なく、軽量で燃費の良さもあり、レース後半はペースをさらに上げることができました。ポルシェ911 GT3 Rの理解度も深めることができたので、結果は残念ですが次に繋がるレースだったと思います。

Jorg Bergmeister B Driver
予選でのスピードはチームの努力ではどうにもならないくらいだった。それにトラブルがあったため、決勝でピットインせざるを得なかったのは本当に残念だったね。でも、レースでのペースは悪くなかったんだ。これでもしトラブルがなければ、控えめに言っても15位以内に入ることができたのは間違いなかったと思うよ。次のレースをいまから楽しみにしているよ。

Tadashi Fujita Team Principal
なかなか完全燃焼して終わることができませんね。チーム全員が力を出し切って結果を残すことができないのが悔しいところです。今後は力をフルに発揮してレースが終えられるようにしたいと思います。性能調整も苦しいところはありますが、それは他のチームも同様なので、言っても仕方がないこと。次のレースまでに、また体制をしっかり立て直して挑みたいですね。

Toshiaki Takeda Team Director
前戦の反省を踏まえてミーティングを行い、500kmというレース距離に対応するためのタイヤ選択や、対策を立ててきました。ただ、今回も序盤にトラブルが出てしまいました。ペース自体は良かったですし、タイヤの状態もよく、燃費の面でもいいところを見つけることができました。前戦よりもいい兆しをつかむことができたのは良かったと思いますが、結果を残せなかったのは悔しいです。