FIAによりF3ヨーロッパ選手権第3戦ポーへの参戦が認められなかったネルソン・ピケJr.だが、今年11月のマカオGPには参戦できる可能性が残されているようだ。
今年30歳のピケJr.は先週、カーリンと契約を結びF3ヨーロッパ第3戦へスポット参戦するとしていたが、FIAのシングルシーター・コミッショナーによる審査の結果、「選手権の精神に反する」として参戦が認められなかった。
契約発表の際、ピケJr.とカーリンは状況が許せばマカオGPへも参戦したいとの意向も示していたが、シングルシーター・コミッショナー代表のステファノ・ドメニカリは「その件に関しては、もう一度状況を精査することになるだろう。どういった条件で審査するかは決まっていないが、再び議論をすることになる」と述べている。
「(マカオGPは)選手権に組み込まれていないため、(ポーとは)状況が異なってくる。コミッションのメンバーとF3おけるマカオGPの立ち位置も含めて話をする必要がある」
なお、マカオGPに参戦するには、同一シーズン中に2戦以上F3に出場していなければならないが、ユーロフォーミュラ・オープン(旧ヨーロッパF3オープン)に参戦することでも条件を満たすことができる。カーリンは同シリーズにもエントリーしており、もしピケJr.がスポット参戦した場合、マカオGP参戦の条件を満たすこととなる。
また、ピケJr.の参戦を認めなかったシングルシーター・コミッショナーの決定について、F3チームの代表からはさまざまな意見が出ている。モトパークを率いるティモ・ランプフケイルは「FIAが選手権の理念に基づく判断をしたことはいいことだったと思う」と審査を支持するコメントを行っている。
「もちろん、ピケJr.が参戦していても歓迎していたよ。参戦台数が22台に増えることで選手権の話題作りにも繋がるからね」
「ただ、話題作りの手法として正しいものなのか、少し疑問に思うところもあったんだ」
ヒッチGPでディレクターを務めるオリバー・オークスは「(賛成派と反対派の)両方の意見を理解できる」と語った。
「FIAはシリーズの公平性を保つべく、正しい働きをした。我々は未来のF1スターを育てるという精神を保つことができる。しかし、もし元F1ドライバーのピケJr.が参戦していたら、若いドライバーにとってはいいチャレンジになっていたことは間違いない」
「私個人としては、ピケJr.と正々堂々と戦うのは楽しかっただろうと思う。こう考える者は少ないかもしれないがね」
T-Sport代表のラッセル・イエコットは「彼の姿勢に感服した。素晴らしいドライバーだ」とピケJr.の姿勢を評価する発言をしている。
「F3ヨーロッパに挑戦しても、彼が得るものはほとんどなかったと思うんだ」