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参院選の争点に「最賃引き上げを!」 最低賃金大幅引き上げキャンペーン委員会の院内集会に福島みずほ、山本太郎も駆けつける

2016年05月17日 19:40  キャリコネニュース

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7月に予定されている参議院選挙で、最低賃金の引き上げを争点に入れるべく、5月17日、最低賃金大幅引き上げキャンペーン委員会が「最低賃金をいますぐどこでも時給1000円に!時給1500円をめざす院内集会」を衆議院第二議員会館で開催した。労働組合の参加者や国会議員ら約80人が集まった。

主催したキャンペーン委員会の岡本哲文さん(下町ユニオン)は、「最低賃金の引き上げが、非正規雇用労働者をはじめ、低賃金で働く労働者の賃金の底上げに直結している」とあいさつした。

「最低限の生活をしていても毎日毎日お金の不安はつきません」

集会では、日弁連貧困問題対策本部のメンバーの猪股正弁護士が講演を行った。現在の最低賃金の全国平均は時給798円だが、この水準でフルタイム働いても年収は約166万円にしかならない。また先進諸外国の時給は軒並み1000円を超えており、日本は低い状況にあるという。

かつては最低賃金近くで働く人の多くは、家計の補助的にパートなどをする非正規労働者だったが、現在は働き方のモデルが大きく変わり、非正規労働者自身が自身の生活を維持するようになっている。つまり、現状が追い付いていないという。そのため、

「貧困問題を解決するため、最低賃金の大幅な底上げがはかられなければならない」

と語った。

低賃金で働いている人も集会に参加し、自身の現状を語った。介護職で正社員として働く木下美智子さん(36)は、1日10時間以上働き、責任も重く精神的な負担が大きいにもかかわらず、月の手取りは15万円ほど。

「最低限の生活をしていても毎日毎日お金の不安はつきません。(中略)最低賃金を1500円にあげてもらって、少しでもそういう不安を感じない生活を送れるようにしてほしい」

と訴えた。

共産党・小池晃書記局長「最低賃金引き上げの野党間の政策的合意を作る」

また集会では、共産党の小池晃書記局長、民進党の初鹿明博衆院議員、社民党の吉田忠智党首と福島みずほ副党首、生活の党の山本太郎共同代表がそれぞれ最低賃金引き上げへの考えを語った。

山本氏は、安倍政権への憤りを露わにした。

「(安倍政権は)2020年代に1000円にあげるってドヤ顔してますけど、1000円っていったってワーキングプアじゃないですか、ほとんど。何を言ってるんだと。これが1500円になってやっと人間らしい生活がギリギリ始められるかどうかのスタートだと思うんですよ。1500円にしろよって」

福島氏は、特に母子家庭の平均年間所得が181万円と低いことに触れ、

「女性が当たりまえに働いて当たり前に子どもを食べさせるとだけの賃金を得るのが困難な社会(の原因は)はひとえに賃金の安さだと思います」

と指摘。同一労働同一賃金や正社員化も重要な取り組みではあるが、最低賃金が上がれば食べていくことはできる。そのため、最低賃金の引き上げこそ「今の日本でとりわけやらなくてはならないこと」であると語った。

小池氏は、最低賃金の引き上げが「経済の好循環を生み出す決定的な鍵を握る」と語った。また、安倍政権が打ち出している最低賃金引き上げ策は成長ありきで考えられており、「トリクルダウン的な最低賃金政策」であると非難した。

「最低賃金の引き上げを起点にして経済の好循環を作っていくんだという風に発想を転換してやっていく必要があると思います」

また、「野党間の政策的合意を作って来るべき選挙の重大争点として提起していく」と最低賃金の引き上げについても野党共闘の考えを明らかにした。

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