来月にル・マン24時間の開催を控えるサルト・サーキットに、アメリカ発のセーフティシステム『SAFERバリア』が導入されることになった。
主にアメリカのオーバルコースに設置されているSAFERバリアは、鉄と強化発泡スチロールで構成される衝撃吸収材をコースの壁面に設置し、マシンがクラッシュした際の“クッション”としてドライバーの安全性を高めている。
今回、SAFERバリアが導入されたポルシェ・カーブは、サルトのコース終盤に設けられた左右の高速コーナーが連続するチャレンジング・セクションで、2014年にはロイック・デュバルの駆るアウディが非常に激しいクラッシュを喫している。今回は、SAFERバリアと共にセクション後半のランオフエリアとグラベルエリアも拡張されている。
ACOのスポーティング・マネージャーを務めるビンセント・ボメニルは、SAFERバリアを導入することで、ポルシェ・カーブの性格を損ねることなく安全性を高めることができたと語っている。
「シケインを設けることは簡単だったが、それではトラックの持つ性格が失われてしまう」
「FFSA(フランス・モータースポーツ連盟)との話し合いの末、当初のレイアウトを維持しつつ、サーキットの安全性を高めることが可能になった」
またボメニルは、SAFERバリアがヨーロッパのロードコースに導入されるのは、これが初めてになるだろうと考えている。
今年のル・マン24時間は、6月18日と19日に決勝レースが行われる。