ときおり昔の嫌な思い出を夢で見る。この前は僕が若い頃に3年ほど働いていた、地元のレンタルビデオチェーンの、レクリエーションに参加していた日の夢だ。
社員とアルバイトが30人ぐらいいただろうか。全員ムサいおっさん。この30人でボウリングをしたんだけど、盛り上がるわけがない。企画した奴は頭がおかしいのかと思った。
その後はこのメンバーで食事をとったんだけど、なぜか自然食がウリのレストラン。野菜のバイキングだの麦飯だの、当時20代前半の僕にとっては、なんの楽しみもないメニューだった。社長行きつけの店らしいが、マズかった。当時は「修行なの?」と100回近く愚痴っていた記憶がある。そんな嫌な思い出を、夢に見た。(文:松本ミゾレ)
「楽しいことを社員みんなでやれば仲良くなれるはず」という浅はかな考え
5月15日、2ちゃんねるに「会社のイベント参加したくないランキング」というスレッドが立った。スレ主が投稿した内容はこんな感じだ。
SS:社員旅行
S:BBQ
―――死んでも参加したくない壁―――
A:ゴルフ
B:三次会
C:二次会
この手のイベントの特徴は、どれもこれも会社以外のメンバーでやればそこそこ面白いというところにある。「楽しいことを会社のみんなでやれば、社員も仲良しになって、やる気もアップするのではないか?」と、企画をする人間が浅はかな考えを持っているのだろう。
バカの発想である。巻き込まれる側からしたら、勘弁してくれって話だ。さらにこのスレッド、読み進めていくと、他にも社員運動会やら社会人野球なども評判が悪いようで、嫌悪感のこもった書き込みが見られた。
就職説明会での社内運動会やってますアピールは「絶対マイナス」
幾つかコメントを抜粋して紹介したい。
「(社員旅行は)中国人ツアーの使い回しなんかバスでポイント回るだけとか、旅行の醍醐味もなんもないただの時間の無駄遣い」
「虫が寄ってくる日焼けする暑い ひたすら焼きそば作ったり肉焼く 作り方に文句でる しかも食えない アホか」
「就活の説明会で運動会やってることを、まるでいい事のようにアピールしとる会社あったけど、あれ絶対マイナスよな」
いい大人がレクリエーションをやったところで、何か特別な気付きや愛社精神が芽生えるわけでもない。中には社内だけではなく、社外の人とも一緒に行う「接待野球」というものもあるという。「取引先の野球チームにふんわりくそボールなげて気持ちよく打ってもらう競技」だといい、「ほんまくそやで」と嘆いている。
会社のイベントって、そもそもなぜ企画するのだろうか。そもそもこの手のレクリエーションは、本来なら休日、みんながゆっくり休める日にちを奪って行われることが多い。何が悲しくて休日返上で結束を図らなきゃならないのだ。
会社は遊びではないので、好きでもない部下に対して、嫌々面倒を見ている人もいれば、気に食わない上司をどうにかして黙らせたいと思っている人だっているだろう。そういうメンバーが休みを返上して集まったところで、募るのは不満ばかりになるはずだ。
しょうもないレクリエーションは、しょうもない思い出にしかならない。やったって意味はないだろう。