2016年5月16日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部
マット・ケンゼスが今季初勝利!
トヨタ勢4人目の“チェイス”入り
トヨタはドーバーの週末3レース全制覇
“モンスター・マイル”ドーバーで行われたスプリント・カップ・シリーズではマット・ケンゼスが今季初勝利。トヨタ4人目の“チェイス”入りを決めた。エクスフィニティ・シリーズではエリック・ジョーンズ、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズではマット・クラフトンが勝利を挙げ、トヨタはこの週末のドーバー3カテゴリー全レースを制覇した。
5月15日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第12戦「AAA 400」が開催された。
1周1マイル(約1.6km)のドーバーはコンクリート舗装の滑りやすい路面を持ち、“モンスター・マイル”の愛称で呼ばれる。年2戦、そのうち1戦は“チェイス”の1戦として行われる。トヨタは過去2勝。その2勝共にカイル・ブッシュが挙げている。
13日(金)に予定されていた予選が雨のために中止となり、グリッドは雨が降り出す前に行われていた練習走行のタイムで決定された。
15日(日)午後1時17分に400周(400マイル:約640km)で競われる決勝レースがスタート。40周目のコンペティション・コーションのあとは長いグリーンフラッグランとなり、その後はクラッシュでのイエローコーションが多発する展開で、ピット戦略が分かれ、順位も入れ替わったが、トヨタ勢は序盤から上位争いを続けた。
前半戦はカール・エドワーズとマット・ケンゼス、中盤に入るとマーティン・トゥルーエクス・Jr.も首位争いに加わった。
レースが終盤に入った354周目、この日10回目のイエローコーションからの再スタートは、ケンゼス首位、エドワーズ3位、トゥルーエクス・Jr.4位とトヨタ勢が上位を固めていたが、再スタートが切られた直後、最前列2番手でトヨタ勢に囲まれていたジミー・ジョンソン(シボレー)が突然スローダウン。すぐ後を走っていたトゥルーエクス・Jr.、以降の車両がこれに詰まる形で次々に玉突き状態となり、後続は大混乱。18台が巻き込まれる多重クラッシュとなってしまった。
このアクシデントでレースは11分あまりの赤旗中断に。この日はハンドリングに苦しみ中団を走行していたカイル・ブッシュは車体に大きなダメージを負い、ここでレースを終えることとなってしまった。
また、レース再開で再スタートが切られた直後には、2位につけていたエドワーズが後続に接触され壁にクラッシュ。こちらも戦線離脱を余儀なくされた。
残り35周で再スタートが切られると、首位のケンゼスが後続2台の猛追を受けるも、凌ぎきってトップでチェッカー。今季初勝利を挙げた。
2013年にトヨタに移籍後13勝を挙げるも今季はまだトップ10フィニッシュが3回と苦しいシーズン序盤を過ごして来たベテランのケンゼスが、ようやく勝利を挙げ、トヨタ勢としては4人目となる“チェイス”入りを確実なものとした。
多重クラッシュに巻き込まれたもののクルーの迅速な修復でレースに復帰したハムリンとトゥルーエクス・Jr.が7位、9位でトップ10フィニッシュを果たした。
次週は5月21日(土)にオールスター戦が米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われ、シリーズの次戦第13戦は5月29日(日)に同じシャーロットで、シリーズ最長の600マイルレースとして行われる。
ドライバー マット・ケンゼス:
「最高の気分だ。チーム、トヨタ、TRD-USAが素晴らしい仕事をしてくれた。今日はずっと再スタート直後のアンダーステア症状に苦しんできたが、最後の再スタートは逆にオーバーステアだった。カイル(ラーソン:シボレー)に攻められたが、全力を尽くして彼を抑え続けた。彼は才能に溢れた若きドライバーだが、幸運にも勝つことが出来た。ここドーバーは私にとってカップ戦デビューを果たした、お気に入りのコースだ。ここで勝てて本当に嬉しい」
<チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ>
“チェイス”と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバーと、未勝利でランキング上位の計16名が“チェイス”に進出する。
“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落しポイントをリセットして次ラウンドに進む。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。
理論上はレギュラーシーズン中に16名以上の勝者が出る可能性はあるが、毎年複数戦勝利者が何名も出て、勝利者数は16名に満たないため、1戦でも勝利を挙げれば“チェイス”入りはほぼ確定となる。トヨタは昨年参戦以来最多の5名が“チェイス”進出を決め、最終戦で勝利を飾ったカイル・ブッシュがトヨタに初のシリーズチャンピオンをもたらした。
■NASCAR第12戦 ハイライト